ネパール地震でも、応急危険度判定が行われていました【ネパール地震】【熊本地震】(5月4日のFBより)
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
2016/05/04
室﨑先生のふぇいすぶっく
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
ネパール報告(その13)・・応急危険度判定
今回から、ネパール調査で感じた課題について、いくつかコメントしておきます。
ネパール地震でも、応急危険度判定が行われていました。このシステムが国際的なものになっていることを実感しました。
応急危険度判定は、そもそも日本が発祥の地です。1980年後半ごろから日本で村上雅也先生を中心に、余震等による2次災害防止のために、その制度や判定基準作りに取り組んできました。ただ、保守的な日本ではこの制度はなかなか制度化されませんでした。
その日本の取り組みを目ざとく見つけて制度化したのがアメリカです。アメリカは、1994年のノースリッジ地震で、この危険度判定を実施し、その有効性を実証しました。阪神・淡路大震災の時、これを逆輸入する形で、大慌て実施したのです。赤や緑の紙が間に合わず、黒字のコピーで間に合わせました。
ネパールでは、赤と緑の色塗りの円や四角のデザインが用いられていました。わかりやすいいという面では、日本よりも進んでいるという印象を受けました。ただ、日本で重視している「判定理由」を記載する欄がなく、被災者に危険の意味を徹底できているかどうか、疑問でした。
これは日本でも同じですが、危険という判定で立ち入りが禁止されているにも関わらず、カトマンズの王宮広場では、その中に観光客が平然と立ち入っていました。
ネパールでは、注意にあたる黄色の判定がありません。赤でも緑でもないのがすべて黄色というのようです。ただその無判定の建物がべらぼうに多く、私の判断で「どう見ても赤」だろうという建物に、多くの人々が居住しているのは、とても気になりました。
その無判定を赤にしてしまうと、被災者が行き場をなくすという事情が反映しているのだろうと思いました。無判定は自己責任でということのようです。
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