2019/06/21
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』

無料ダウンロード可
このボードゲーム、無料でダウンロードでき、知識があれば、誰でも使っていいゲームです。支援者の方が理解すればするほど、広げられるというのがありがたいです。
支援者の方に体験していただきたくて、内閣官房国土強靭化推進室と協働の学習会「レジリ学園」で体験会を開いたのが6月18日です(終了後に地震のニュースが入りました)。

ではどんなゲームだったかというと、まずは2枚同じものが置かれている下の用紙の1枚を、チョキチョキはさみで点線に沿ってカットすることから始めます。

この大人同士で、無心にチョキチョキするのがいい感じでした。いつも防災関係の固い話をしている仲間も、一気に童心に帰っていくのがわかります。
でも、一枚一枚のカード、切りながら見てみると、カードゲームの「攻撃力」と「防御力」みたいなことが書いてあるんです。
こちらのカード見てください。
右側の「応急修理制度」。災害後、すぐ修理したいですよね。で、半壊以上だったら58万4000円まで支援金があるというので、これを使って支援金をもらいたくなります。
ところが、このカード、「使うと仮設住宅に入れない」という「防御力」が下がる制度なのです。
そして、あらためて考えてみると、屋根瓦がすべて落ちた、ベランダが落ちた、サッシの開閉が困難になったという様な事例が重なった半壊で、58万円強では正直、お金が足りないですよね。だから、このカード、意外と「攻撃力」も弱いんです。
「障害物の除去」も「仮設住宅に入れない」カードです。床上浸水の場合、障害物は除去したけど、断熱材が上部まで水を吸って、カビがひどくて結局住める状態ではなくなった…と、後から状況が変わる場合も考えられます。このカードのご利用は計画的に…って思ってしまいます。
でも、仮設住宅に行かなくても大丈夫なマンション防災にとって、これらのカードは、使えるカードになってきます。実際に、応急修理制度の58万4000円を個別の部屋の修理には使わず、管理組合で一括して集め、マンション全体の修理にあてることで早期の復興を果たしたマンションもあります。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方