2019/06/28
防災・危機管理ニュース
東京都は28日、今年度の「東京都一斉帰宅抑制推進企業認定制度」企業募集について発表した。7月1日~9月30日が募集期間。災害が起こった際に救助活動の妨げや二次災害を起こしかねない一斉帰宅の抑制のため、備蓄など取り組みを行う企業を募集する。また2018年度に認定された12のモデル企業を含む、49の推進企業の取り組み事例集も公表する。
対象は都内に本社や事業所を置く企業や団体。備蓄のほか安否確認手段や安全な場所にとどまることの従業員への周知といった、一斉帰宅抑制に取り組む企業を推進企業に選定する。その中でも、特に優れていたり、波及効果の大きい取り組みを行う企業をモデル企業として選定する。9月30日の募集締め切り後に審査を行い、11月ごろに推進企業を認定。さらにそこから選定委員会を開き、2020年2月にモデル企業を決定し、3月に認定式を実施する。都総務局では一斉帰宅抑制のすそ野拡大のため、2018年度に引き続き募集することを決めたという。
初めて募集した2018年度は49社から応募があり、全て推進企業に認定。その中から特に優れた12社がモデル企業となった。その49社の取り組みを事例集にまとめ、東京都防災ホームページに掲載する。備蓄、訓練、周知、滞在・外出対応のテーマ別にまとめられており、閲覧のほかダウンロードも可能。
モデル企業では例えばディスコは通勤手当と住宅手当の見直しを行った。交通費がかからない方が得となるよう金額を一律にし、帰宅困難者にならないために大田区大森の本社近くでの従業員居住を促したほか従業員の自宅での水や食料の備蓄にインセンティブを与えた。こういった2018年度に認定された企業の取り組み事例を公表することで、都民や企業が参考にすることを狙う。
■詳細はこちら(東京都防災ホームページ)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/topics/1000019/1006282/1006518.html
■関連記事
都、一斉帰宅抑制モデル12社認定式
https://www.risktaisaku.com/articles/-/15780
東京都、一斉帰宅抑制へ企業認定制度紹介
http://www.risktaisaku.com/articles/-/11901
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
- keyword
- 東京都
- 一斉帰宅
- 一斉帰宅抑制
- 東京都一斉帰宅抑制推進企業認定制度
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方