バックグラウンドチェックとは?

ボストンマラソンやロンドンマラソンでは、ボランティアに応募してきた人々についてバックグラウンドチェックを実施しています。申し込み用紙の記載事項にうそ偽りがないのか主催者側が確認をします。外からの脅威に対してのみ目を向けるのではなく、内部においても脅威となりうるもの(なりえそうなもの)を初期段階からできるだけ排除するために行っています。ボランティアスタッフはイベントの成功に不可欠な存在ですが、IDパスを持つ彼らが手引きをすれば、または彼ら自身がテロリストであれば、イベント中にテロ行為や犯罪を起こすことが外部者よりも容易に行うことができるからです。

バックグラウンドチェックの詳細はセキュリティの観点から公にはされていません。しかし、2013年のボストンマラソンテロ以降、ビッグイベントに携わるスタッフのバックグラウンドチェックは一気に厳しくなりました。特に過去にボランティア経験がない人が新しくイベントボランティアに申し込みをする場合などは徹底したバックグラウンドチェックが行われています。ボランティアの応募書類に不審な点があれば当局も協力し、犯罪歴や家族構成などの調査が行われます。

何をどこまでチェックする? (出典:PublicDomainPictures https://www.publicdomainpictures.net/en/view-image.php?image=238783&picture=checklist)

東京2020大会へ向けて、日本でもボランティアの募集が開始されました。今年のラグビーワールドカップでボランティアをするという人々もたくさんいらっしゃるでしょう。自分自身に犯罪歴はないこと、テロリストとの関係がないことなどは自分にしかわかりません。あなたがイベントでボランティアをする時、同じチームにいるボランティアスタッフのことをどこまでご存知ですか?

次号では、今回の続きボランティアスタッフに対するバックグラウンドチェック(2)として、海外で実施されているバックグラウンドチェックの内容と、日本の現状・課題についてお話しします。

ところで、私も「ZOZO CHAMPIONSHIP」のボランティアに応募していました。外国からの選手やスタッフが多いため英語ができると尚可とのことでしたので英語力アピールもしましたが、結果は落選。もしやバックグラウンドチェックでひっかかったのか…などいらぬ心配をしてしまいます。当落理由は一切お答えできませんとの記載があり、落選理由は迷宮入りです。

(了)