2016/07/06
ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
落水した消防士の救助方法:
・隊員が入水して救助する場合は、救助員1〜2名がスクーバセットを着装、無ければ、救命胴衣を着装して、救助ロープを付けた救命俯瞰を投げ渡し、引き上げる方法が好ましい。
・落水した隊員が意識が無い場合、救助隊員は入水後、まず、隊員の気道の確保、水面での人工呼吸後、空気呼吸器の水中脱着を行い、水面での気道確保を継続しながら迅速に陸へ引き上げる。
・橋上にクレーン付き救助車を横付けできる場合は、バスケットストレッチャーによる救助も考え、吊り上げ準備をしておく。
河川の多いオレゴン州ポートランド市消防局では、落水危険のある火災現場では、防火衣の内側に救命胴衣を着用することを義務づけていて、その上から空気呼吸器を装着しています。
■オレゴン州ポートランド市消防局着衣水泳実験
出典:YouTube
救命胴衣を防火衣の外側に装着すると、非常に活動しづらくなり、また、空気呼吸器の脱着も困難になることがわかります。
これからの季節、水難救助訓練を行う機会が増えると思います。
みなさんの消防局の管轄でも万が一に備えて、防火衣のみ、フル装備、様々なメーカーの空気呼吸器を使って、着衣水泳の実験をしてみませんか?
近くの小学校のプールで水を入れ替えするときやプール授業が終わったときに施設をお借りして、実験されてみることもできるかもしれません。
何事も百聞は一見にしかず、実験協力を依頼してみましょう。
「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」by
サントリー創業者“鳥井 信治郎”氏
それでは、また。
(了)
ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情の他の記事
おすすめ記事
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
-
三協立山が挑む 競争力を固守するためのBCP
2024年元日に発生した能登半島地震で被災した三協立山株式会社。同社は富山県内に多数の生産拠点を集中させる一方、販売網は全国に広がっており、製品の供給遅れは取引先との信頼関係に影響しかねない構造にあった。震災の経験を通じて、同社では、復旧のスピードと、技術者の必要性を認識。現在、被災時の目標復旧時間の目安を1カ月と設定するとともに、取引先が被災しても、即座に必要な技術者を派遣できる体制づくりを進めている。
2025/08/11
-
アイシン軽金属が能登半島地震で得た教訓と、グループ全体への実装プロセス
2024年1月1日に発生した能登半島地震で、震度5強の揺れに見舞われた自動車用アルミ部品メーカー・アイシン軽金属(富山県射水市)。同社は、大手自動車部品メーカーである「アイシングループ」の一員として、これまでグループ全体で培ってきた震災経験と教訓を災害対策に生かし、防災・事業継続の両面で体制強化を進めてきた。能登半島地震の被災を経て、現在、同社はどのような新たな取り組みを展開しているのか――。
2025/08/11
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/05
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/08/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方