福祉避難所を示す案内

前回に続き、2019年7月24日に行われた東京都立矢口特別支援学校の「福祉避難所開設訓練」について報告します。

特別支援学校での福祉避難所開設訓練
https://www.risktaisaku.com/articles/-/18782

この訓練には、一般社団法人福祉防災コミュニティ協会のメンバーも見学に参加しました。その中から重要なコメントを紹介します。

(1)良かった点
・教室の引き戸の溝に車椅子が引っかからないように養生テープを貼って段差を無くしたり、引き戸が動かないように養生テープで留めるなど、これまでの経験が活かされていた。
・コーンなどで導線をうまく作っていた。

(2)課題
<受付>
・受付の机はもう少し増やして複数で対応できるようにしたらよい(人員的に難しいのだろうか)。
・受付で、聞き取りをしたり、情報提供があったときに書き留めた紙をまとめて入れるボックスがあればよかった。
<情報関連>
・室内で指示する際にハンドマイクを使用していたが、後ろの方は声が割れていて聞きにくかった。また早口だと聞きとりにくいことがあるので、ゆっくり話すように気を付けていただけるといい。
・本部などから指示があるときは、全員で静かにすることを徹底しないと、指示を聞きもらす可能性が高い。
・無線だけで情報共有したりするのは限界がありそうだと感じた。
<トイレ>
・テント式のトイレは女性用のみで、男性は簡易トイレとマンホールトイレを使うとのことだったが、福祉避難所を利用する人たちが利用できるか不安を感じた。
<部屋>
・発達障がいの方の避難部屋が、戸棚やキャビネットで囲われていたが、余震等で倒れそうで心配だった。
・福祉避難所となる部屋では、ビールケースと板を使ったベッドの準備が行われたが、ここに寝たり座ったりするのは痛いので、段ボールベッドの導入を検討してはどうか。
・福祉避難所の他の部屋は、白いパーテーションで区切り、床に段ボールを2枚引いてあったが、教室には普段使っていると思われるマットがあったので、それを活用する方がいいのではないか。
・視覚障がい者を受け入れる部屋も、白いパーテーションで区切られていたが、軽いものなので一人で動くときに危ないと感じた。本当にパーテーションが必要か検討をしてはどうか。