2、消防士によるペット(犬と猫)の心肺蘇生法の手順

基本的に火災建物内で意識のないペットを発見した場合は、速やかに建物外の安全な場所への搬送を優先します。現場内での処置は行いません。ただし、どのような場合でも、人命救助を最優先することを忘れないでください。
 

 1、心肺蘇生法の対象となる状態  

①反応がなく、普段通りの呼吸がない場合。
ペットが抱きかかえられる大きさであれば、現場内からの搬出途上でも胸骨圧迫を開始すること。いち早く、脳に血液中に含まれた酸素を送ることを優先することで救命率は大幅に向上する。他の隊員(救急隊員)により酸素吸入を開始。

②指令課へ獣医応援要請、または、オーナーに、掛かりつけの動物救急病院獣医へ連絡してもらう。
 

 2、胸骨圧迫方法  

①基本的に側部から、胸骨圧迫(前足の根元を体幅の3分の1程押す)
パグやシーズーなどの短頭種は仰向けの状態で、胸骨の下半分を押す。ペットの種類、大きさによっても異なる。小型犬や猫などは親指で胸骨マッサージ可。

②片手を肘を伸ばした状態でペットの体の下側に拳が来る状態で垂直に立て、もう片方の親指をペットの脇の下に入れた状態で、胸骨圧迫する。強く、早く、絶え間なく。圧迫解除がポイント。

③深さ、側部からも中央からも体幅の約3分の1。

④1分間に30回の胸骨圧迫、人工呼吸2回を繰り返す。酸素供給可能であれば、ペット用酸素マスクを使って供給開始。小児用人工呼吸バッグ(アンビューバックなど)を使用可。または、ペット専用の酸素吸入マスクを使う。

⑤搬送手段、獣医の到着など状況に対応する。