2016/08/05
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
おしゃれなバックの中に、折りたたみで小さくなるリュックを入れておくのもおススメ
そんなことから見ても、現代になればなるほど、どうすれば重たいのか、重たくないのか、体の感覚がにぶっているのかもしれないなあと思ってしまいます。昔より多くの人が物理を習っているはずなのに、生活に生かされてないのかもしれないですね。
ということで、アウトドアのリュックは、揺れないだけでなく、ただ荷物を入れるだけで重心が上になるように、工夫もされていますから、軽い!のです。リュックのよさは両手があくことだけではないのです!
1次持ち出し袋としてだけでなく、水など、重く大きな荷物を運ぶ2次持ち出し袋としても、アウトドアリュックが使える理由がおわかりいただけたでしょうか?
そうそう。キャリーバッグを通勤用に利用されている方も多いですね。道路が陥没していないなど、道がフラットであれば大丈夫ですが、タイヤはそもそも半径以上の段差は乗り越えられません。それ以上の障害物がある可能性の高い災害時、持ち上げて運ばなければならなくなるかも・・ということを想定してくださいね!
さて、アウトドアのリュックが軽くて使えるとわかっても、それを毎日持ち歩くにはちょっとというお仕事も方も多いことでしょう。
そんな時も、揺らさない、重心を上にする という仕組みがわかっていれば、臨機応変に対応できます。
揺れるショルダーバックを持っていたら、服の中に入れてもいいです。バックの上からショールなどでしばってもいいです。ガムテープでとめても揺れませんね!(おすすめガムテはまたいずれ♪)
防災バックを買えば解決と思ってしまうと、こんな現場思考が生まれなくなってしまいます。
臨機応変になるためには、基本の知恵が必要です。どんなカバンでも軽くできる知恵、揺らさない!重心を上!これをお忘れなく!
また、おしゃれなバックの中に、折りたたみで小さくなるリュックを入れておくのもおすすめです。山用品で、「アタックザック」と言われるものがあります。酸素の薄い登頂部をめざすとき、滞在時間を短くするため、重たい荷物はベースキャンプ地に置いて、軽い荷物でさっさと登って降りてくる必要があります。軽さを追求したザック、それがアタックザックです。
これがまた素材の進化によって、軽くてコンパクトになることといったら。軽いながらもしっかりしている素材のものは、メインザックにもできちゃうほど。
コンパクトで軽いので、職場で机にいれておいたり、いつものカバンの中に入れて、レジ袋の代わりのお買い物マイバックとして持ち歩ける大きさです。

いつもお買い物バックとして利用していたら、素早く逃げなきゃいけない災害時、持っているカバンをそのアタックザックにいれて逃げれば行動が素早くなります!
そんなに素早く逃げることってあるのかどうかは、みなさんのお住まいの状況によりますからね。
南海トラフで地震が起こった際、揺れている時間が5分あるかもといわれていますが、発災から4分で津波が到着という地域もあります。つまり地震で揺れている最中に津波が・・・。また、火災は火をみて避難では遅い。火を見る前に避難しろと言われています。
荷物の揺れや重さで生死が分かれる場所もあるってことですね。考えたくもないですが、たかがカバンの揺れ、たかが重心と思わないでくださいね!
小学生のランドセルは、重心が上にくるように工夫されて軽くなっています。体へのフィット感もあります。ただ、走るとやっぱり揺れるので、前をハンカチで結んでチェストストラップ状にすると、よりすばやく走れます。
ランドセルは、ヘルメットかわりにしたり、浮力もあるので、使える場面もあります。ただ、重たい場合は、もたないという選択もありということでお子様といろいろなケースを話し合ってみてください。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方