困難を伴う避難

各地で猛威をふるった台風15号、19号、21号。逃げ遅れによる被害も多々ある中、台風3日前には広域避難も含め、避難のためにできる策を実施した自立生活センターがあります。

東京都江戸川区にある自立生活センターSTEPえどがわです
http://www.step-edogawa.com

自立生活センターSTEPえどがわホームページより引用(http://www.step-edogawa.com

自立生活センターとは、会のHPによると、

「どんなに障害が重くても、必要とする福祉サービスを利用しながら、地域社会の中で主体的に自己実現を図っていくことつまり、介助が必要な重度の障害者であっても自らの意志によって、自らの人生を選択し、決定し、地域の中で社会の一員として主体的に生きていくことを障害者の自立ととらえ、そのサポートを障害当事者自身が中心となって行う組織」

です。具体的な活動の一つとして障がい者のホームへルプを実施しています。

車いすユーザーの方は、経路や避難先がバリアフリーでないと避難できないという問題があります。また、STEPえどがわの利用者の多くは、ベッド移乗、排せつ介助、飲食摂取介助といった介助者が必要になります。なかには人工呼吸器使用者もいて、電源が必要です。
  
施設内にいる方は介助者と一緒に避難できるかもしれませんが、自宅へ介助者が派遣される場合はどうすればいいのでしょう。介助者が災害の中、無理して出向くこともできませんが、行かなければ命に危険が及びやすい人たちです。介助者がいない場合、要援護者はどのように避難すればいいでしょうか? その時も支援者と一緒に避難できればいいですが、支援者にも家族がいます。ですので、事前にお互いが家族ぐるみで避難することや、どこに避難するかを打ち合わせしておかない限り、避難というものは、障害のない人より数倍も困難を伴っています。

今回は、被害の少なかった江戸川区ですが、水害の際の広域避難も検討されている地域です。現場で交わされた会話や、スタッフの安全を図りつつ、災害時要援護者の安全を図るにはどうすればよいか苦悩と実践の記録をお伝えしたいと思います(時間は24時間表示)。