2019/12/06
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
西日本豪雨での恐怖体験
講演で、後述の映像をお伝えすると、多くの人が、誰でも深い場所につっこんでしまうのも無理はないと思われて、「怖い」「やばい」などの声があがります。
映像を提供してくださったのは、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)で被害があった東広島市西条の酒蔵、山陽鶴酒造の取締役、本永修一朗さんです。
2018年7月、西日本では南北の高気圧に挟まれ停滞した梅雨前線が線状降水帯となり豪雨が続き、死者数が260名を超え、7000棟近い建物の被害をもたらす未曾有の災害となりました。
この時、東広島市では、7月6日昼過ぎから7日朝にかけて豪雨となりました。下の表は、東広島市の災害検証委員会が作成したその時発表された警報などの資料です。
気象庁からは、洪水警報が7月6日10時6分に出されています。市内全域に洪水の避難指示(緊急)が発令されたのは、19時45分です。
この状況をしっかりイメージしてほしいのです。
17時30分には土砂災害での避難勧告は出ているものの、洪水での避難指示は19時45分まで出ていません。
みなさんにイメージして欲しいのは、19時30分の段階で車で外に出ることはありでしょうか? という事です。
19時30分の段階で出ているのは、土砂災害の避難勧告です。土砂災害は、山間部や急傾斜であれば警戒するでしょうが、市街地の多くは平野部です。すでに出ているのは洪水警報ですが、昨今、各地で多く発令されています。行政から避難勧告はまだ出ていません。あたりでは雨はひどいですが、車は走っています。
19時30分の段階で、車でもっと安全な場所に避難しようと思ったり、職場の様子を見に行ったりしようと思ってもおかしくないのではないでしょうか?
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/09
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方