西日本豪雨での恐怖体験

講演で、後述の映像をお伝えすると、多くの人が、誰でも深い場所につっこんでしまうのも無理はないと思われて、「怖い」「やばい」などの声があがります。

映像を提供してくださったのは、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)で被害があった東広島市西条の酒蔵、山陽鶴酒造の取締役、本永修一朗さんです。

2018年7月、西日本では南北の高気圧に挟まれ停滞した梅雨前線が線状降水帯となり豪雨が続き、死者数が260名を超え、7000棟近い建物の被害をもたらす未曾有の災害となりました。

この時、東広島市では、7月6日昼過ぎから7日朝にかけて豪雨となりました。下の表は、東広島市の災害検証委員会が作成したその時発表された警報などの資料です。

気象庁からは、洪水警報が7月6日10時6分に出されています。市内全域に洪水の避難指示(緊急)が発令されたのは、19時45分です。

この状況をしっかりイメージしてほしいのです。

17時30分には土砂災害での避難勧告は出ているものの、洪水での避難指示は19時45分まで出ていません。

みなさんにイメージして欲しいのは、19時30分の段階で車で外に出ることはありでしょうか? という事です。

19時30分の段階で出ているのは、土砂災害の避難勧告です。土砂災害は、山間部や急傾斜であれば警戒するでしょうが、市街地の多くは平野部です。すでに出ているのは洪水警報ですが、昨今、各地で多く発令されています。行政から避難勧告はまだ出ていません。あたりでは雨はひどいですが、車は走っています。

19時30分の段階で、車でもっと安全な場所に避難しようと思ったり、職場の様子を見に行ったりしようと思ってもおかしくないのではないでしょうか?