ステップ5:梯子へ乗り移りながらの回転
・右手をしっかりと持ち、左手を頭側、右手を足側にずらして両足で縦さんを挟む。
・脇を絞り、縦さんと両前腕部が平行になる形で降下準備態勢を取る。
・複数の隊員が降下する場合は、この時点で後続の降下隊員が梯子を掴む準備を行い、構える。

「Head First Ladder Bailout」(出典:YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=liO-AITvn8g



ステップ6:梯子を滑り降りる
・両手は縦さんを持ち、両足で縦さんを挟んで素早く滑り降りる。
・地上隊員は降下隊員着地時の転倒を防ぐ。
・脱出時間は開始から終了まで1人12秒くらいが理想。

■安全管理上の注意事項
・2連梯子の緊急脱出法は緊急の時のみ使用する。
・2連梯子緊急脱出訓練の際は転落予防用確保アンカーとロープを設定する。
・訓練の際、地上隊員は降下隊員のスピードに間に合わせる。
・降下隊員は途中でブレーキをかけたりスピード調整もできるようになること。
・手袋が濡れている場合は手が滑るため肘と膝で縦さんを強く挟むこと。
・地上隊員が降下隊員の着地保護をする際は、降下隊員の縛帯をサポートすること。


下記のリンクで2連梯子を用いた緊急脱出を映像で学ぶことができます。

「RIT SKILLS Ladder Bailout」(出典:Youtube)

なかには、途中で回転せず、最後までヘッドファーストで降りるシーンもあります。


Minneapolis Firefighter Ladder Slide Close Call Window Bailout (出典:YouTube: )
http://www.firefighterspot.com

ミネソタ州では、火災防御戦術マニュアルに現場後着隊が火災建物の開口部に脱出用の梯子を最初から立てかけておき、緊急避難に備えることとしています。

救助大会訓練に比べれば、2連梯子の緊急脱出方法は、とても簡単なですので、装備なし、装備有り、そして、乾いた手袋、濡れた手袋で、それぞれ訓練してみて下さい。

出初め式や防災訓練の新しい救助演技としても使えるかもしれませんね。

それでは、また。


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
代表理事 サニー カミヤ
http://irescue.jp

(了)