元社員が突然会社を告発。イメージダウンをどう防ぐか(写真:写真AC)

ある日、あなたの会社の元社員が突然「会社から〇〇のハラスメントを受けた」として記者会見。これを受けメディアからの問い合わせが会社に殺到。どう対応したらよいでしょうか。これは私が最近、訓練のシナリオにしている内容です。具体的に考えてみましょう。

原則として記者会見には記者会見で

問題発生時のコメントはどこから出すのか、悩みどころではあります。基本は起きた場所。ネットならネットで、工場火災なら工場で。現場から遠くなると、それだけずれてしまうからです。

具体的に言うと、会社のブログが炎上した際には会社ブログでコメントします。元社員のコメントがネットで炎上している場合には、会社サイトで公式コメントを出します。

では、相手が記者会見をしてしまったらどうなのか。それも原則からすると、記者会見となります。少なくとも記者会見をする覚悟で準備をする必要があります。あとはタイミングや中身のメッセージの組み立てが、その後を決めます。

ここで単純に、元社員と敵対するメッセージを発信してしまうと、今の社員が不安になってしまいます。ありがちな失敗が、根拠を示さないまま感情的に「会社に問題はない」「法的問題はない」「問題社員だった」と強気のコメントを出してしまうこと。仮に事実であっても、事情をよく知らない一般の人からすると「社員に冷たい会社」と見えてしまいます。採用にも影響してしまうでしょう。

では、どのようなコメントをしたらいいのでしょうか。発生した事案によって異なりますので詳しくは書きませんが、ヒントだけ書きます。

自分たちの「どこが批判を浴びたのか」を観察します。そして、自分たちの本当の気持ちに向き合って言葉を探せば、必ず適切な言葉は見出せます。現役社員も見ていることを考慮し、対立姿勢にすべきか、そうではないかたち、例えば「残念だ」といった言葉にするか。言葉が見つかるまで、とことん問題を考えてほしいと思います。