2017/06/05
防災・危機管理ニュース

データバックアップや復旧、消去などを手掛けるAOSデータは、クラウドバックアップデータの検索にAI(人工知能)を導入し、検索がしやすくなった「AOSBOX Intelligent(エーオーエスボックス インテリジェント)」を開発。8月から提供を開始する。価格は未定。
同社のクラウドバックアップサービス「AOSBOX Business」は、データの世代管理機能を備えるなどバックアップに特化したクラウドサービスとして米国でも高い評価を得ている。新しいサービスではさらに検索にAI機能を追加することで、膨大なクラウドデータからの検索をスピーディにした。
AIがバックアップデータとして保存された写真や動画データを画像解析し、自動的にタグ付けすることで大量のデータを自動で分類する。さらに多言語に対応した独自のOCR機能を持つことにより、PDFファイルや画像データからテキストを抽出。検索可能なデータとして自動的に変換する。
ほかにも容量の大きい動画ファイルを自動的に小さいファイルへ変換して利用者が見やすくしたり、管理者がユーザによって実行されたダウンロードや検索などの操作ログを確認したりすることができる監査機能を付加するなど、バックアップしているビッグデータを活用しやすくするためのさまざまな配慮を施した。

同社代表取締役社長の春山洋氏は「AIは、画像データを自動解析することで「旅客機」と「戦闘機」の区別もつけることができるようになった。それらに自動的に言語タグを付与することで、検索性が飛躍的に向上した。例えば官公庁や報道機関、医療機関などが保有する莫大な画像データや動画データは、データのバックアップをとるだけでなくAIを活用して検索しやすくすることで、活用の道が大きく広がるのでは」と自信を見せる。

矢野経済研究所の調査レポートによると2015年のビックデータ市場規模は535億円だったが、IoT(モノのインターネット化)やAIの普及に合わせ急激に拡大。2020年には1392億円、2025年には4695億円を見込んでいる。同社はクラウド上のビッグデータ解析にAI機能を活用することで、さらにクライアントの生産性を向上させたい考えだ。
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方