2020/05/03
WITHコロナのBCP
中澤 テロを絡めた複合災害も起こり得る。河本さん、濱田さんの考えは。
河本 細かなところで言えば、フランスで早速、買い物客が襲撃された事件があったが、そうした機会は増えるかもしれない。大局で見れば、グローバリゼーションそのものの形が変わり、安全保障関係が変わってくるのではないか。グローバル経済もこれからもっとブロック化していくと、今強い経済を持っているところは強くなり、日本のように海外に多くを依存しているところは弱っていくかもしれない。最悪のシナリオは、日本の国際的地位が低下し、安全保障が脅かされ、経済的にも落ち込んでしまうこと。新型コロナの波が去ればV字回復すると言っているが、もっと大きな視野で、グローバリズムの中で、どうしなければならないかを考えないといけない。

中澤 もっと言うと、民主主義そのものに対する不信感が高まり国際関係の大きな秩序が変わっていく、と。
河本 国際政治の中で、今までは普遍的価値だと信じていたものが、ひょっとすると損なわれる可能性がある。そうすると、今の世界の安全保障や国際関係が大きく変わっていく。その中で日本はどうやって生きていくのか、という大きな地図を描かないといけない。
中澤 民主主義国家の国民が不信感を持つ一方で、民主主義を脅かす勢力が増している。濱田さん、複合災害について懸念していることは。
濱田 テロとの絡みでいうと、早速、ISやアルカイダは「神の罰」だと声明を出している。また、テレワークが増えればサイバー攻撃に近いものが出てくる。それから、ケミカルとバイオの一番の違いは、変異するかどうかということだが、イタリアのウイルスは「ミラノウイルス」と呼ばれて少しタイプが違うという話も既にある。これが強力になっていくと困る。時間軸で言えば、SARSの時にカナダでもあったが、政府に相当圧力がかかり、過早に終息宣言を出す可能性はあるかもしれない。カナダではSARS終息宣言後にピークが来て、救急隊員や医療関係者にかなりの精神的ダメージを与えた。あとは、ロシア関係で、イタリアに入っているロシアの医療支援チームに、明らかにスパイがかなり混じっていること、などが考えられる。

WITHコロナのBCP の他の記事
おすすめ記事
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
-
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方