オールアメリカで次の現場活動に生かす

米国の多くの消防本部では、下記の活動チェックリストを使用して全体を常に把握し、現場指揮を具体的に行えるように工夫している。


また、メーデーが発せられた際には、下記の至急対応チャートを用いて、具体的な消防士の救出や事態の大きな変化などに対応している。

上記のリンク先の記事を書いたマーク・バシュアー消防長は、読者に下記のことを問いかけている。

1. この記事を読んでいるあなたが所属する消防組織には、現場で消防士が火災建物に閉じ込められたり、緊急事態に陥った際の対策として、上のような至急報の対応手順リスト手順を作成して、車載しているだろうか?

2. 現場活動中の自分自身のリスク管理や他の隊員を救助するために必要なサバイバルレスキュースキルと、至急報の内容を管理するためのインシデントコマンド機能の両方を、無線器を活用しながら実践的な部隊訓練で定期的に行っているだろうか?

3. あなたの所属する消防署は、現場活動時における、PARチェック(活動隊員管理)、RIT(緊急救出チーム)、2-in/2-out(2人の屋内侵入隊員、2人の屋外待機隊員)、至急報の対応手順を取り入れているだろうか?

4. 管内でブタンガスを製造し、大量に保管している倉庫の災害に対する環境は安全か否か、把握しているだろうか? また、量に応じて必要な消防設備を設置しているだろうか? さらに、このような火災の二次災害リスクの高い施設毎の警防計画を作成しているだろうか?

米国の消防では、過去の似たような火災後の対応事例において、指令を受信した瞬間から活動各隊員が安全に帰署するまでの、一連の全てが見直されてきた。

例えば今回の事例では、通報から先着までの8分間、ディスパッチャーが通報者にこの建物の内容物の種類や貯蔵物の量、建物面積や道路状況、避難者状況を把握し、危険性や困難性、対象物の特徴などを各隊に共有したのか?

また、風向きと道路幅、出火場所の高さによるはしごの架梯位置の判断や先着隊が、放水を優先する開口部の特定、進入口と退出口の判断、緊急脱出のための二方向避難、指揮隊や各隊の活動が、迅速に評価・判断・行動された内容であったのか?
など。

米国の多くの消防本部では、現場の安全配慮義務を証明する意味もあるが、活動記録として、通報から全てが音声や映像で記録されている。そのため、実際に活動した全部の隊が、まずは自分たちの動きを検証しながら、功をなした活動、改善すべき活動を洗い出して、活動報告書の初稿(外部向けと内部向け)を作成している。

そして次の段階では、全米消防長会の火災戦術活動部会などで組織されているアメリカ主要都市の消防危機管理担当者が活動報告書を読み、映像を見た上で意見やアイデアを出し合って、オールアメリカで次の同じような火災に対しての戦術を話し合ったり、映像での改善案の紹介や先に進むという体制を構築している。その過程でPPEの改善や着脱の時期の判断、緊急脱出時の手順、現在の火災防御体制のフォーメーションなどを考え、工夫し、改善し、反映するという対応を行っている。

危険な目に遭ったからと言って、次からの現場活動が消極的な活動になる必要はなく、いかに安全に活動し、「隊員を帰りを待っている愛する家族のもとに帰宅させるか?」という「自他への愛の力を形にする=ヒーローイズム」を大事にしているからこそ、米国では消防士をヒーローと呼ぶのではないだろうか。

下記のリンク先では、さまざまな角度から今回の火災の全容を知ることができる。消防関係者には、ロサンゼルス市消防局の広報キャプテンのメディア発表内容や、時系列で起こったリスクへの対応など、いい学びの機会になるかもしれない。

https://www.youtube.com/results?search_query=Los+Angeles+explosion+11+firefighters+injured

●YouTubeを日本語で翻訳で見る方法

1. YouTube画面右下の「CC」をクリック。
2. その右の歯車をクリック。
3. 「Subtitle/CC」を選択後、「English」を選択。
4. 再度「English」を選択後、その下の「Auto-translated」を選択し、「Japanese」または一番下の日本語を選択。

 


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
https://irescue.jp
info@irescue.jp