2017/07/21
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
扇子も立派な防災道具? 梅干し、お味噌も大活躍!

秋冨先生:もし熱中症かも・・・と思えば、涼しい日陰に移動させてください。十分な水分補給が必要です。扇風機があればなおベストですが、なければ体を水で拭いてあげて、団扇で扇ぐのもありですね。
りす:扇子だったら普段から持ち運びやすいので、この時期カバンに入れておけば災害時の熱中症対策としても活躍するのですね!
また、水分も水筒などで必ず持ち歩くことも災害時の熱中症対策として重要になってきますね!その他になにかありますでしょうか?
秋冨先生:もし氷があればビニールなどで氷嚢を作成して、首や脇の下、足の付け根などを冷やしてください。その部位には大きな血管がありますので、より効果的に体温を下げてくれるはずです。
りす:氷ですね。この時期の水筒には氷を入れようと思いました。ビニール類は自然界で代替にしくいものなので、多めに持っておくことをおすすめしています。前に紹介した防水バックも氷嚢として使えるかなと思いました。
■さあGW!旅にも災害時にも日常にも役立つ、地味だけどロングセラーアウトドア小物!見かけは地味でも、使う人の知恵次第!(2017年4月28日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2739
りす:その他に、注意しておいたほうがよいことってありますでしょうか?
秋冨先生:以下の2点には気をつけてください。1つは、高齢者や子供さんの場合、室内でも熱中症にかかる場合があります。これは風通しが悪い部屋だったり、体温調整がうまくいかず、暑いと感じられないために起こります。避難所などでじっと動けない高齢者や子供さんは充分に観察を怠ることなく、水分補給や風通しの確認など注意深く観察をしなければなりません。
りす:これは避難所運営をする方にも是非覚えておいてほしいことですね。室内でも、じっと動けない高齢者や子供さんについて、水分補給や風通しの確認など注意深く観察が必要ということはいままであまり認識されていないかもしれません!
避難所になる体育館の中には、風が通り抜けない構造のものもあります。室内に避難したから安心と油断は禁物なんですね。
秋冨先生:2つめは、熱中症でもより重要な熱中症にかかると、汗をかかなくなります。もう汗をかく機能すら失われているのです。そうなれば意識障害も起きますので、すぐに医師の診察を行ってください。

水分補給で覚えておくと良いのは、ただの水よりも汗で塩分喪失しているので、スポーツドリンクや経口補水液などを飲ませると効果的です。経口補水液として日本では大塚製薬からOS-1:オーエスワンが販売されています。
りす:汗もかいていないし、寝ているから大丈夫と思ってはいけないのですね。OS-1は普段から家に備えています。こどもがいると、ウイルス性胃腸炎や急な発熱もあるので、結構家庭に備えてる人も増えてきた気がします!
秋冨先生:私も実際に調査したところ、喉が渇いていないときに飲むと美味しくないのですが、喉が渇いているときに飲むととても美味しいということが分かりました。体が欲しているのですね。
りす:体が欲している時には美味しいというのはいいですね!普段から使えるものが防災用品に推奨されますが、経口補水液に関しては、家に常備していても、美味しいからとがぶがぶ飲まれてしまっていたら、いざという時ない!という事になりそうで(笑)。ところで、もし市販の経口補水液がなかった場合はどうしたらいいでしょうか?
秋冨先生:これらがなければ、1リットルの水に2gの食塩と砂糖大さじ4杯(40g)を加えたものを飲むか、梅昆布茶および味噌汁などもミネラルも含まれて効果的です。
りす:梅昆布茶♪梅は手作りして備蓄しています。
■梅仕事と新発想!1石4鳥の地域循環型ローリングストック 防災備蓄で残業が減る?!地域おこしを助ける?!(2017年6月16日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3082
そして、昆布は業者の方から、10年以上低温で保管した天然昆布は料亭の味がだせると教えていただいたので、冷蔵庫で長期保管しています(というかほったらかしている)。
災害時、冷蔵庫に何かないかなと思った時、長年置き忘れた昆布にお湯をいれたら料亭の味だなんて、災害時なのに、すごいラッキーと思える気がして♩
梅昆布茶で熱中症対策。覚えておきます!また、お味噌汁も、熱中症対策にもなるのですね!やっぱり味噌つくりはお得がいっぱいですね♪
■災害用備蓄に、火おこしの練習に、何よりも毎日がおいしい味噌作りにチャレンジ!この楽しさを知らないのはもったいない!(2017年1月13日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2270
秋冨先生:ただし、意識が悪くなっているような重症な人に無理に飲ませると誤嚥(ごえん:気管に入ってしまって肺炎を起こしてしまう可能性があります)を起こしますので、点滴が必要となってきます。
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