2020年7月初め現在、新型コロナウイルス感染症の猛威は世界中で収まっておらず、憂慮すべき状況になっています。一方、初夏を迎え、さまざまな衛生害虫の活動が活発になっています。今回は、これらの虫類によって引き起こされる感染病について紹介します。

フタトゲチマダニ(出典:ウィキメディア・コモンズ) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Haemaphysalis_longicornis_1.jpg?uselang=ja

日本国内ではほとんど知られていませんが、ダニにより媒介されるウイルス性の高い死亡率をともなう重篤な脳炎、例えばロシア春夏脳炎(極東型ダニ媒介性脳炎)、中央ヨーロッパダニ媒介性脳炎、跳躍病、キャサヌール森林熱、オムスク出血熱、ポアサン脳炎、あるいは出血をともなう熱性疾患のクリミア・コンゴ出血熱が、主として寒冷地において古くから人類の生存に脅威を与え続けてきました。

そこへ、これまで全く知られていなかった新しいダニ媒介ウイルス感染症の存在が、2011年に中国の研究者らによって報告されました。重症熱性血小板減少症候群 (Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS) です。すなわち、発熱、頭痛、全身倦怠感、下痢や嘔吐などの消化器症状、意識障害等を起こす死亡率の高いウイルス感染病なのです。

本病は中国のほか韓国、ベトナムおよび日本で発生しています。日本では2013年1月に、海外渡航歴のない西日本に居住する女性がSFTSに罹患し、死亡した事例が初発例として報告されました。それ以降、西日本各地でSFTS患者が確認されるようになり、東日本に向かって次第に感染地域は拡大しています。感染症新法では四類感染症に分類されています。

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