2021/06/06
危機管理担当者が最低限知っておきたい気象の知識
「顕著な大雨に関する情報」の発表形態
先ほどの4条件が全て満たされた時には、図2のような情報が「顕著な大雨に関する情報」として文章形式や図形式で発表されることとなっています。
線状降水帯が発生していることを報道などで把握した場合は、気象庁の「雨雲の動き」や気象レーダーが閲覧できるサイトやアプリなどを通じて、線状降水帯が全体としてどちら方向に向かっているか、この先さらに雨が継続しそうかを見るようにしてみてください。次から次へと雨雲がかかる状況がしばらく継続しそうな印象があれば事態は改善しないと思われます。そのような時は時間を追うごとに河川の状況や土砂の状況がますます危険になるため、早急に対応しなければなりません。
また、今は活発な雨雲の帯から離れた場所であったとしても、線状降水帯が自分の地域に向かってくるようであれば今後危険な状況になると判断できます。
▼雨雲の動き
https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/
なお、図3のように1つの線状降水帯といっても少しずつ雨量が異なることがあるので、実際にどの地点で土砂災害の危険性が高まっているのか、どの河川が氾濫しそうになっているかは、気象庁の土砂キキクルや洪水キキクルで確かめていくようにします。
土砂キキクルで濃い紫色が出ている所は土砂災害警戒情報の基準を実況で超過している箇所、洪水キキクルで濃い紫色が現れた中小河川は警報基準を大きく超過した基準をすでに超えている河川です。線状降水帯とキキクルの濃い紫色の組み合わせは特に危険と覚えておきましょう。
▼各種のキキクル(危険度分布)
https://www.jma.go.jp/bosai/risk
最後にまとめとなりますが、「顕著な大雨に関する情報」が出る時は災害の発生や拡大を見越してすぐにでも行動すべき時です。線状降水帯がかかる中で遠方へ避難することはかえって危険であることが見込まれるため、河川の氾濫対策としては安全が確保できる高いところへの移動、土砂災害の対策としては危険な場所から可能な限り離れるという代替措置が求められます。線状降水帯がかかり、キキクルで濃い紫色の表示となっているのにもう少し様子を見ようとして時間を無駄にしてはいけません。
かなり危険な状況を伝えるのが、今回発表される「顕著な大雨に関する情報」です。そうしたことを踏まえて、どう利用するのかを皆さんもぜひ考えておいてください。
危機管理担当者が最低限知っておきたい気象の知識の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/23
-
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
-
-
-
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方