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災害時に車両や施設の燃料を1週間以上確保できないと、自社の主要事業が完全に止まるなど、BCPに大きな影響が出ることを不安視している危機管理担当者が多いことが本誌のアンケート調査で明らかになった。一方で、課題の解決に向けては、コストがかかることや、全体的に危機意識が高くないことがネックになっていて、具体的な取り組みが進んでいない状況も浮き彫りになった。

編集部注:この記事は「リスク対策.com」本誌2016年1月25日号(Vol.53)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。(2016年11月29日)

アンケートは、本誌の読者および、2015年12月10日に本誌が開催した国土強靭化セミナーの参加者らを対象に行い237人からの回答を得た。内訳は上場企業が37.1%、非上場企業が42.19%、自治体が4.6%、その他団体が10.6%、個人・その他が5.5%。業種別では、製造業が30.8%で最も多く、次いでサービス業(13.5%)、行政・団体(8.9%)、情報通信業(7.17%)、卸売・小売業(6.75%)、運輸業(5.91%)など。

車両燃料は非上場企業に大きな影響
「被災時にあなたの組織(会社・自治体など)が所有する車両燃料が1週間以上にわたり確保できないと、事業にどの程度の影響がでるか」との問いに対しては、「いくつかの主要事業で支障の出る可能性がある」との回答が33.8%で最も高く、次いで「いくつかの主要事業が確実に止まってしまう」(31.7%)、「いくつかの事業で支障の出る可能性があるが大した影響はない」(26.6%)との順になった。 

「いくつかの主要事業が確実にとまってしまう」と回答したのは、上場企業が26.7%に対して、非上場企業は54.7%と高い。業種別では、製造業が22.7%で最も多く、サービス業(13.3%)と行政・団体(13.3%)、運輸業(13.3%)が同数。その後に、卸売・小売業(10.7%)が僅差で続く。一方、「いくつかの主要事業で支障が出る可能性がある」と回答したのは、上場企業が45%で非上場企業の37.5%を上回る形となった。業種別では、やはり「製造業」36.3%で突出しがて高い。2位以下は建設業(10%)、サービス業(8.8%)、情報通信業、医療福祉、行政・団体(いずれも7.5%)の順となった。 

上場企業に比べ、非上場企業の方が、車両燃料の不足による主要事業へのクリティカルな影響を受けやすいことを裏付けた。