2016/01/24
誌面情報 vol53
施設燃料が確保できないと主要事業が止まる
「あなたの組織が入居する施設または工場等の非常用発電設備の燃料が1週間以上確保できないと事業にどの程度の影響がでるか」との問いに対しては、「いくつかの主要事業が確実に止まってしまう」が50.2%で過半数を超え、次いで「いくつかの主要事業で支障の出る可能性がある」(35%)が続き、この2つの回答で大半を占めた。「いくつかの事業で支障の出る可能性があるが大した影響はない」はわずか8.9%にとどまった。
「いくつかの主要事業が確実にとまってしまう」と回答したのは、上場企業が38.7%に対して、非上場企業は45.4%とわずかに高い。業種別では製造業が33.6%と突出して高かった。このほか、10%以上の回答があったのは、情報通信業(10.9%)、サービス業(10.9%)、行政・団体(10.1%)。
一方、「いくつかの主要事業で支障が出る可能性がある」と回答したのは、上場企業が42.2%で非上場企業の41%をわずかに上回った。業種については、やはり製造業が33.7%と突出して高く、このほか10%以上の回答があったのはサービス業(14.46%)のみ。
施設の燃料については、上場企業も非上場企業も、燃料不足による主要事業へのクリティカルな影響を受けやすく、他の業種に比べ製造業が特に燃料不足を懸念している傾向が顕著に表れた。
車両燃料の確保に向けた取り組み
「車両燃料の確保について現在、具体的に取り組んでいることがあるか」との問いについては、「特に何もしてない」が28.7%で最多。
「現在検討中だがいい手法が見つからない」(19.8%)も多い。ただし、「ガソリンスタンドや配送会社と災害時供給に関する契約を結んでいる」(22.4%)、「グループ会社や取引先から調達してもらう」(18.1%)、「専用のタンクを設置している」(17.7%)など、さまざまな取り組みが進んでいる傾向も見られた。
一方、今後取り組みたいと考えていることに関しては、「今後検討していきたいがまだ具体的な方法が見つからない」31.22%で最多とがなった。
施設燃料の確保に向けた取り組み
「施設の非常用発電設備の燃料確保について現在、具体的に取り組んでいることがあるか」との問いについても、「特に何もしてない」が23.6%で最多。「現在検討中だがいい手法が見つからない」(21.9%)も多く、車両燃料の確保と同様の傾向になった。 
具体的な取り組みとしては「給油所や配送会社と災害時供給に関する契約を締結」、「小型の発電機や蓄電池で、必要な電源を確保」がそれぞれ20.25%となった。
一方で、今後取り組みたいと考えていることについては、「特に考えてない」(21.9%)との回答が多いものの、「給油所や配送会社と災害時供給に関する契約を結ぶ」(23.21)や「小型の発電機や蓄電池で必要な電源を確保できるようにする」(22.8%)がそれを上回る回答となった。

課題はコストと連携
「車両燃料や非常用発電機の燃料確保を推進する上での課題は」との問いに対しては、「コストがかかりすぎる」(39.7%)との回答が最も多く、次いで「自社だけでは解決できない」(34.2%)で、コストと他社との連携がボトルネックになっていることが明らかになった。このほか、「全社的に意識が低い」(26.6%)など、意識面での課題を挙げる回答も多かった。

アンケートではまた、「車両・施設の燃料確保とBCP」に関する自由意見を求めたところ、「ガソリンなどの液体燃料は備蓄管理に不安が残る」「エコ発電で事業を継続することを検討していく必要がある」「太平洋ベルト地帯に集中した製油所の分散など国としての対策が必要」「自家発電設備は使用時間が制限させれる」「国の補助金が必要」「燃料供給のルートの検討なども必要」「一般市民が困っている中で企業の事業継続とのバランスが必要」「車が無い状況での事業継続を考えたい」「社会全体でのサスティナビリティを追及していく必要がある」「不要不急の燃料に制約をかけるべき」「大災害時は備蓄戦略では限界がある」などの声が寄せられた。
(了)
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