2018/07/05
独自調査
回答企業は、上場企業と非上場企業がほぼ半数で、企業規模では1000人以上の企業が約6割を占めた。業種別では製造業が35%と最も多く、次いで情報通信業および卸売・小売業(それぞれ13%)、サービス業(9%)と続く。また、今回の地震で震度5弱以上を観測した地域(市町村)にある自社施設は、支社・支店が63%と最も多く、次いで営業所・販売所が30%、本社・本店があるとした回答は22%だった。
6月18日(月)に大阪北部で発生した地震に関する企業へのアンケート調査(有効回答数148)で、BCPが十分機能しなかった要因について聞いたところ、本連載の初回でも紹介した通り、BCPの構築レベルに応じて、事業継続の課題に差があることが明らかになった。
まず、全回答者を通して、最も大きな要因とされたのが「関係部門との情報共有の遅れ」。次いで2位「社員の防災意識の低さ」、3位「そもそも今回の地震はBCPの発動対象ではない」、4位「災害対策本部の設置の遅れ」、5位「社員の安否確認の遅れ」。以降の順位は下記のグラフ1の通り。
回答者には、要因として該当する各項目ごと、「まったくそう思わない」を1、「強くそう思う」を5として、どのレベルにあてはまるかを選択してもらい、その平均値を算出した。例えば1位の「関係部門との情報共有の遅れ」は平均値が2.19ポイントだった。つまり、1位とはいえ、3ポイント以下であることを考えると、全体的には、それほど強く課題と感じているわけではないことが推察される。さらに、全体傾向として、物理的な被害は、すべて下位となっていて、対応面における課題が上位を占めた。

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