2022/11/20
独自調査
リスク対策.comは、企業・組織が自然災害や感染症、サイバー攻撃、大規模な事故・事件に備えるためどのような訓練・演習をどの程度行っているのかを明らかにすることを目的に、インターネットによるアンケート調査を実施した。その結果、多くの企業が訓練・演習の回数や内容に不安を感じているほか、事業継続力の向上のために重要だと感じる訓練・演習の手法と、実際に行っているものにズレを感じていることが明らかになった。数回に分けて結果を解説する。
従業員101~500人(23.9%)が最も多く、1001~5000人(20.6%)、501~1000人(17.7%)の順となった。業種は製造業が37.7%で突出して高く、本社所在地は東京都が51.3%で過半を占めた。
BCP の構築状況は「BCPを策定していない」が9.4%、「策定途中」が12.9%で、大半がBCPを策定済みだった。さらにBCP策定済の企業のうち定期的に見直しを実施している企業は36.1%、非定期的に見直しを実施している企業が48.1%、見直しをしていない企業は15.8%だった。
また、リスクマネジメントやBCP、防災部門の設置状況は、全体の55.2%が兼務での担当部門を持ち、次いで専属での担当部門があるが21.9%だった。これらのことから、リスクマネジメントやBCPにかなり力を入れている企業が本アンケート調査に回答している。
訓練の回数も内容も不十分
アンケートでは、現在自社で行っている訓練・演習の頻度や内容について、どの程度十分と感じているかを「1.不十分」から「5.十分」までの5段階で尋ねた。
結果は回数が【グラフ1】の示す通り、頻度については不十分28.4%と少し不十分28.7%で57.1%。内容については不十分が36.5%、少し不十分が31.6%で68.1%と、いずれも半数を超え、十分とは感じていないことが分かった【グラフ2】。また、回数よりも内容に対して不十分と感じている傾向が強いことが明らかになった。
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