行政の情報発信、政府の対応、一般の活動など、地震直後の支援に賛否両論が渦巻く(イメージ:写真AC)

被災直後に守らねばならない危機管理の立場

正月に起きた能登半島地震に関してさまざまな情報が飛び交ったことは前回も記述した。今回は、政治家や著名人も含めた一般の支援活動に関する情報に触れる。賛否両論渦巻く状態であり、冷静にそれらを俯瞰してみたい。

災害発生時において第一義的に重要なのは、自助・共助による被災者自らの安全確保であることは疑う余地はない。そして不幸にも被災され危機に陥っている方々に公助での救命救助を急ぎ、同時に避難者への生活支援がゼロ次フェーズとして最重要となる。

この期間は災害の規模や状況によって異なるが、数日から1週間程度が通常で、自衛隊や消防レスキュー隊(特別救助隊)の活動が活発に行われる。その指揮命令・統制、現地の正確な情報管理のため、政府や自治体の体制が緊急に整えられる。

前回も記述したが、今回の震災において、この活動は速やかに行われており、その後の国会答弁でも、他の震災時との投入人員数の差に基準の異なる数字を挙げているなど、印象操作の欺瞞が明らかになっている。

確かに被災者側の立場において、いろいろと不足の点はあるだろうし、要望もあるのは当然だ。が、それはこのような事態において完全にすべての人が満足する状況はあり得ず、そのことをもって批判するのは少々早計であろう。

行政は現地入りを控えるよう要請(イメージ:写真AC)

そしてこの時期、統制管理すべき自治体からは、道路事情が悪化しており現地の受け入れ態勢も整わず、一般の移動、現地入りは控えるように発信されていた。この状態で、現地の発信情報に反して現地入りする危機管理・統制上の当事者ではない政治家や団体は、けっして許されるべきではないというのが危機管理の立場である。

「現地の情報が政府に届いていない」「被災者が困っている」「政府の対応が悪い」などと批判し、自らの活動を正当化していても、それを許していては情報混乱に拍車をかけるリスクが高いことを忘れてはならない。

本当によかれと思ってやっていたとしても、それは秩序を乱すと批判されてしかるべきであり、パフォーマンスと揶揄されるのも仕方がないのである。そのことを理解しない擁護論を展開するのも同様、単なる批判のための批判に過ぎず、建設的な議論にはならない。