初開催の調布防災サミットには約50人が参加した。

7月10日、調布市や社会福祉協議会の職員、医療、大学、NPOの関係者などが参加する調布防災サミットが調布市総合福祉センターで開催された。調布市での災害対応と能登半島地震支援を振り返り、課題を共有。調布市避難者登録フォームへの入力を試し、改善点について話し合った。

長友貴樹市長

調布市の長友貴樹市長は「終わりのない防災体制充実のため、行政と医療、福祉の連携が1つの大きなテーマになっている」と意気込みを話し、サミットはスタートした。

調布市社会福祉協議会の嵐祐子氏

まず、調布市社会福祉協議会の嵐祐子氏は、2011年の東日本大震災で被災地から避難者を受け入れた「調布市被災者支援ボランティアセンター」の活動を紹介。市民からのサポートを受けてWebサイトの立ち上げ、多数の情報発信をした経験から「IT活用が災害ボランティアセンター運営の鍵を握るといっても過言ではない」と話した。味の素スタジアムに開設され、嵐氏がセンター長を務めた同ボランティアセンターでは、延べ430人、180世帯が避難し、ボランティア登録は2000人を超えた。社会福祉協議会の外部にいるITスキルの高い人々との信頼関係を築く重要性を説明した。

調布市総務部総合防災安全課の中川昇氏

続いて、調布市総務部総合防災安全課の中川昇氏は、初めて避難勧告を発令し、内水氾濫で200棟以上が浸水し、6000人以上が避難所に避難した2019年の東日本台風での対応を説明した。被災直後に立ち上がった災害ボランティアセンターと協力し市民のニーズを把握。消毒の配布や入浴支援などの実施を紹介。被害の程度により変わる市民への支援内容を、被災者台帳を使って管理。「支援がきちんと行き届いているか、漏れがないかの把握するために」の重要性を説明した。

調布市総合防災安全課の大橋俊介氏

元日の能登半島地震後に、石川県から二次避難者を受け入れた富山市を支援した総合防災安全課の大橋俊介氏は、避難所の運営活動を紹介。個室で過ごすために健康状態の確認がホテル避難では困難になるとし、健康相談室の設置やポスター掲示による情報発信、チェックリストの作成などの取り組みを説明。支援職員の入れ替わりも頻繁なため「避難者情報の共有が難しかった」と話し、情報共有ツールの必要性について述べた。