2024/10/26
防災・危機管理ニュース
首都圏を中心に相次ぐ強盗事件では、実行役の多くがSNSの「闇バイト」をきっかけに犯罪に手を染めた。送迎や引っ越し業務など通常のアルバイト募集を装う投稿もあり、手口は巧妙化。警察当局は、簡単、高収入を強調したり、秘匿性の高い通信アプリに誘導したりする求人には「応募しないで」と強く呼び掛けている。
「完全ホワイト即金案件」「違法性なし」。X(旧ツイッター)上には、高額バイトをうたう投稿が次々と現れる。こうした闇バイトが疑われる情報について、警察庁は民間に委託し、人工知能(AI)なども活用しつつサイト管理者らへの削除要請を行っている。今年上半期に確認された情報は8161件、削除は4000件以上に達した。
同庁と都道府県警は、闇バイトが疑われるXの投稿に返信し、警告する取り組みも進める。「逮捕され、懲役などの刑罰を受ける可能性があります」といった内容で、警告後直ちに削除されるケースが多いという。
ただ、しばらくすると別の新しい投稿がされるのが実態で、警察幹部は「対策は後手に回っている」と認める。別の幹部は「(応募者の目に留まる前に)いかに対応できるかが課題だ」と話す。
一連の事件で逮捕された実行役の中には「高額案件 タクシー業務 書類運搬 日給5万円から」「即日払いのバイトがあります」などと業務内容をあいまいにしたまま募集する投稿に返信して、指示役と接触した者もいた。警察庁の担当者は「露骨な表現では応募者から警戒され、警察に削除されると考えているのでは」と話す。
闇バイトは、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が強盗や特殊詐欺などの実行役確保に多用しているとみられる。暴力的な動画を見せて応募者や家族を脅迫するケースもあるとされ、一度足を踏み入れると抜け出すことが難しい。ある警察幹部は「闇バイトは実行役をかもにするものと知ってほしい」と警鐘を鳴らしている。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 闇バイト
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方