2024/11/04
防災・危機管理ニュース
マイコプラズマ肺炎が猛威を振るっている。国立感染症研究所によると、全国約500の定点医療機関から10月14~20日の1週間に報告された患者数は1医療機関当たり2.01人(速報値)。1999年に現在の集計方法になって以来、4週連続で過去最多となり、初めて2人を超えた。厚生労働省は手洗いやマスクの着用など基本的な感染対策を呼び掛けている。
厚労省によると、マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染して起こる呼吸器感染症。人との接触や飛沫(ひまつ)で感染し、小児や若い人が発症することが多い。例年、報告された患者の約80%を14歳以下が占めるが、成人も感染する。
発熱やせき、頭痛などの症状が見られ、熱が下がった後もせきが数週間続くのが特徴。多くは軽症で済むが、肺炎を引き起こして重症化することもある。
感染研によると、9月29日までの1週間に定点当たりの患者数が1.65人となり、それまで最多だった2016年10月の1.64人(確定値)を上回った。その後、過去最多を更新し続けている。
10月20日までの1週間に報告された感染者数は965人。定点当たりの患者数を都道府県別に見ると、最多は青森(4.83人)で、佐賀(4.67人)、愛知(4.47人)、東京(3.84人)と続いた。
厚労省は、せきが長引く場合などは医療機関を受診するよう推奨。「感染者は秋や冬に増加する傾向がある」として、せっけんを使った手洗いや、マスクの着用を呼び掛けている。
〔写真説明〕肺炎マイコプラズマ(国立感染症研究所提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- マイコプラズマ肺炎
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
経営層に響かせるサイバーセキュリティロジック
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方