第14回 どんぐりポイント制度とどんぐり事業の事例
キャノン、KDDI、瀬戸内里山・里海どんぐり大作戦から学ぶ

島崎規子
大学関係の主たる内容は、駒澤大学経済学部、城西大学短期大学部、城西国際大学経営情報学部大学院教授などを歴任し、同大学定年退職。城西国際大学では経営情報学部経営情報学科長、留学生別科長などを務めた。大学以外の主たる内容は、埼玉県都市開発計画地方審議会委員、財務省独立行政法人評価委員会委員、重松製作所監査役などを務めた。
2025/01/07
環境リスクマネジメントに求められる知識
島崎規子
大学関係の主たる内容は、駒澤大学経済学部、城西大学短期大学部、城西国際大学経営情報学部大学院教授などを歴任し、同大学定年退職。城西国際大学では経営情報学部経営情報学科長、留学生別科長などを務めた。大学以外の主たる内容は、埼玉県都市開発計画地方審議会委員、財務省独立行政法人評価委員会委員、重松製作所監査役などを務めた。
「どんぐりポイント制度」と「どんぐり事業」は、地球温暖化削減が計画通りに進行しないため、新たな対策の一つとして導入された制度です。すなわち、CFP (Carbon Footprint of Products) オフセット製品・サービスの流通を促し、消費者の購買意欲を高め、低炭素製品の普及拡大や省エネルギー・低炭素化の取り組みを促進することを目的に実施されています。第11回、第12回、第13回に引き続き、どんぐりポイント制度のしくみとどんぐり事業の事例について紹介します。
「どんぐりポイント制度」とは、「見える化」制度連携活性化事業費補助事業を意味しています。そのしくみは、図表1のとおりです。どんぐりポイントは、CFPオフセット製品にどんぐりポイントマーク、例えば、10ポイント(図中10ptと記載) を付けて、わかりやすく表示しています。
図表1では、どんぐりポイントをさまざまなコミュニティに収集してもらい、環境に優しい商品やサービスなどに交換または寄付に利用していることがわかります。コミュニティの活動内容や交換商品の利用目的により、環境貢献だけでなく、社会貢献が期待されています。
どんぐりポイントラベルが商品に付くまでの順序は、図表2の示すとおりです。
このどんぐりポイント制度は、CFPオフセッ制度と同じどんぐり事業事務局が運営しています。共同事務局の運営でCFPオフセット認証からどんぐりポイント発行までの手続き窓口を一本化し、両事業への参加申請の手続きをスムーズに実施しています。
また、この制度は、自治体やNPOなどと連携した地域にねざした取り組み、流通・小売事業者と連携したキャンペーンなど、消費者に身近に感じてもらえる取り組みを積極的に推進し、CFPオフセット制度とどんぐりポイント制度の認知度向上と活用事例の拡大を目指しています。
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