警察庁は24日、参院選の警備対策の実施状況を公表した。街頭演説の襲撃を予告するようなネット上の投稿を889件確認し、会場の手荷物検査などで刃物類140点を発見したという。実際に候補者らに危害が加えられた事案はなかった。
 安倍晋三元首相銃撃事件などを踏まえ、警察庁は単独でテロを行う「ローンオフェンダー」の情報を集約する「脅威情報統合センター」を参院選で初めて設置。SNS投稿や不審者情報を分析し、犯罪の未然防止や警備に生かす態勢を整えた。
 同庁によると、サイバーパトロールや通報で、SNSやネット掲示板上の「危険な投稿」を6月16日~今月19日に889件確認。13日に岸田文雄前首相の公式X(旧ツイッター)に「(演説に)来たら殺す」などと連続で書き込んだ千葉県の40代男性を特定し、同県警がその日に接触するなど、切迫度に応じた対応を取った。
 担当者は「結果的に実行可能性が高いものはなかったが、情報共有で効果的な対応ができた」と話した。同庁は今後も選挙で同様の態勢を取る方針だ。 
〔写真説明〕街頭演説で参院選での支持を訴える立憲民主党の野田佳彦代表=19日、東京都内(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)