2019/04/26
知られていない感染病の脅威

狂犬病対策に係る一般的な注意事項
アジア、アフリカなど狂犬病流行地域では、犬などの動物に近寄らない、絶対に接触しないことが肝要です。またジョギングをするなど、走ることは危険です。多くの野犬が近寄ってくるからです。その中に狂犬病罹患犬が混じっている場合もあります。
国外で長期滞在する場合、犬を同行させるときには目的国での動物検疫は必ずあることを知っておく必要があります。動物検疫の制度は国により異なりますが、イギリスの場合、例え出国前に狂犬病ワクチン接種がなされていても、イギリス到着後に厳しい動物検疫を受けることになります。動物検疫所の検疫場で180日間の検疫期間が課せられるため、イギリス到着後、連れて行った犬が飼い主の手元に戻るまで半年かかってしまうのです。各国の動物検疫の制度については、農水省動物検疫所に問い合わせることをお勧めします。
前回触れましたが、日本の狂犬病予防法では、国内で飼育されている全ての犬が市町村に登録されて毎年、狂犬病ワクチン接種を受けることが義務付けられています。しかし、実際には、国内で飼育されている犬のわずか50%強しか狂犬病ワクチンの接種を受けていないという報告もあります。日本国内での狂犬病発生なしの状態を継続するためには、接種率70%を越える必要があります。現状のまま推移すれば、国内で飼育されている犬の狂犬病ウイルスに対する感受性が高まり、近い将来、国内での狂犬病発生が起きることが心配されます。また任意ですが、飼育されている猫の狂犬病ワクチン接種も重要であると考えられます。猫もまた、高い狂犬病ウイルス感受性を持っているのです。
(了)
知られていない感染病の脅威の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方