米国では川に墜落

この事故の前日、5月4日にはフロリダ州ジャクソンビルの空港で、キューバからノースフロリダに向かっていたマイアミ航空の737型機が、着陸時に滑走路をはみ出して、セントジャクソン川に機体半分を没し、水上に停止する事故が発生した。

この事故では着陸時で燃料が少なかったことや着水スピードが遅かったことから、乗客・乗員143名(137名の乗客と6名の客室乗務員)のうち、2名の軽傷者を出したが、重傷者や死者は出なかった。

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乗客の証言によると「着水時、水しぶきが窓にかかったが、川なの海なのか、周りが真っ暗で、脱出後に冷たい水の中を泳ぐことになるのか? 機体が浮いた状態で救助されるのかなど、乗客のさまざまな思いつきや情報が錯綜し、とりあえず、救命胴衣だけを着装した」とコメントしている。

航空機事故専門家によると「現時点で原因は断定できないが、当日の空港エリアの気象状況から推測すると外気温が華氏10度(摂氏マイナス12度)で、雷雨が降っていたが、機体が落雷を受けて着陸スピードを制御できなくなり、また、滑走路上に薄くたまった水が機体車輪との※ハイドロプレーニング現象※が起こったか、または、正面からの雷雨で滑走路を照らす誘導灯などをパイロットがうまく視認できず、着地箇所とスピードを誤ったか、機体整備による不具合でコントロール不能に陥ったかではないかと推測される。いずれにしても着水した川が浅かったことで乗客が溺れずに済んだことと、乗客が海軍出身者のためのチャーター機だったことで惨事に至らずに済んだ」とコメントしている。

※着陸時の機体車輪が水のたまった路面などを走行中に、タイヤと路面の間に水が入り込み、機体が水の上を滑るようになり操縦やブレーキが利かなくなる現象。

■航空機の冬期運航における課題と解決に向けた研究の取り組み
http://www.iadf.or.jp/document/pdf/26-1.pdf