利根川東遷論、背景に足尾銅山鉱毒
明治期に論じられだしたのは政府の意図

高崎 哲郎
1948年、栃木県生まれ、NHK政治記者などを経て帝京大学教授(マスコミ論、時事英語)となる。この間、自然災害(水害・土石流・津波など)のノンフィクションや人物評伝等を刊行、著作数は30冊にのぼる。うち3冊が英訳された。東工大、東北大などの非常勤講師を務め、明治期以降の優れた土木技師の人生哲学を講義し、各地で講演を行う。現在は著述に専念。
2019/07/16
安心、それが最大の敵だ
高崎 哲郎
1948年、栃木県生まれ、NHK政治記者などを経て帝京大学教授(マスコミ論、時事英語)となる。この間、自然災害(水害・土石流・津波など)のノンフィクションや人物評伝等を刊行、著作数は30冊にのぼる。うち3冊が英訳された。東工大、東北大などの非常勤講師を務め、明治期以降の優れた土木技師の人生哲学を講義し、各地で講演を行う。現在は著述に専念。
私は河川の文化や洪水史に関心を抱くものとして、全国の主要河川は踏破したと考えているが、郷里の大河である利根川には今なお強い関心と愛着を持ち続けている。利根川は関東平野のほぼ中央部を南東へ流れ銚子市で太平洋に注ぐ。長さ322キロ。その流域は1都5県にまたがり、流域面積は1万6840平方キロで日本最大である。
この夏、利根川治水同盟会の講演会で講演することを契機に、利根川を論じる上で避けて通れない、江戸初期の瀬替(せがえ)・東遷(とうせん)に関する書籍や文献にあたってみた。利根川東遷を論じた図書や研究論文は少なくないが、今日確認できるものの大半が明治期以降に出されたものである点に特徴がある。明治26年(1893)「史学雑誌」掲載の「利根川流域沿革考」(河田羆)をはじめ、「利根川治水考」(根岸門蔵、1908年)、「利根川治水論考」(吉田東伍、1910年)、「利根川治水史」(栗原良輔、1943年)、そのほかに東京大学名誉教授高橋裕氏や新潟大学教授を務められた大熊孝氏ら河川工学者の著名な論文や図書がある。「利根川と淀川」(小出博、1975年)もその一つである。国土交通省(旧建設省)発刊の文献にも一読に値するものが少なくない。「利根川と淀川」を改めて通読して、再確認したことが多かった。本稿は同書を参考にして論じていく。
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