米国オハイオ州のローレン市では財政難により3分の1の消防士が解雇された(出典:YouTube)

こんにちは。サニー カミヤです。このコラムでは、財政難の消防局が行っている予算の有効活用方法についてアメリカの事情をお伝えいたします。


One third of Lorain firefighters to be laid off Friday amid budget cuts(出典:YouTube)

誰でも苦しくなることは、あまり考えたくないのは当然です。しかしさらに苦しくなる前に具体的に考え、本気で早めに準備をしておく必要があると思います。

近年、日本は人口減の一途をたどり、毎年約25万人という比較的大きな市の人口に相当する人数が「激減」しています。また、高齢化の進展により医療や介護などの自治体負担は今後も増える一方です。

北海道夕張市の例を見ると、実質的な財政破綻後に財政再生団体となり、借金を返すために公共料金など値上げに次ぐ値上げが起こりました。

たとえば、市民税や都道府県民税、固定資産税、軽自動車の増税、入湯税の新設など各種税金が値上げされました。公共料金では、下水道料金や保育料のアップ、市営バス料金の値上げ、一般ゴミも含めたゴミ収集の有料化のほか介護保険料の値上げなど、得られるところから片端に徴収していくしか方法がありませんが、税金や公共料金を上げれば、当然住民の消費は冷え込みます。

破綻予備軍と言われている自治体も、住民が出て行ってしまえば財政は当然立ち行かなくなってしまいます。数年前まで、数少ない成長分野とされていた観光立地化も、すでにどこも同じような集客内容で飽きられてきたのか、頭打ちになってきていると言われています。

自治体が「財政破綻」したら地域住民の生活は一変します。まず、若い人たちはが土地を離れ、人口(納税者)が減り、税収が減ります。その結果、減り続ける税収で成り立つ地方自治体職員の給与も減らさざるを得ませんので、もちろん、消防局の予算も大幅に削減され、消防士の給与も減ることは避けられません。

今、住宅ローンなどを抱えている消防士にとっては、給与が減ることで、さらに生活がきつくなります。

消防士は公務員であるため、信用があり、銀行からの借金も容易ですが、これからは、毎月の固定費を増やさない工夫がさらに必要です。また、アメリカの一部の消防局のように、地方公務員の営利企業従事制限の緩和により、非番日の副職も認めることも考えておくことも消防士の生活を守る1つの対策かもしれません。

■「財政破綻」は実際にどういうことなのか 夕張市長 鈴木直道
(NIKKEI STYLE)
http://style.nikkei.com/article/DGXBZO64609980W3A221C1000000?channel=DF130120166044

残念ながら日本に限らず、アメリカを始め先進国のほとんどの市町村で同じような現象が起こっています。


Budget cuts could prevent Martinsville Fire Department from saving lives (出典:YouTube)