2016/11/16
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
5、猫・小動物・小型犬・犬の赤ちゃんに対する気道異物除去
腹部突き上げ法以外の背部叩打法とチェストトラスト法を行うこともできますが、体のサイズに応じて叩く力や圧迫する力を加減することを忘れないでください。
〇実施ポイント
・ペットの咳き込むタイミングをよく観察してください。
・気道内異物除去のタイミングが遅いと窒息して、意識を失ってしまいます。
気道異物除去中に反応がなくなったペットに対する救命処置
・心肺蘇生法をためらうことなく迅速に行い、飼い主の掛かりつけの獣医への通報や緊急対応ができる獣医への搬送手配を行います。
・心肺蘇生法中に気道異物が出てきた場合は、指等で取り除きます。
・口の中に異物が見えない場合は、指を突っ込んで無理に探さない。異物を奥に押しやってしまわないように気をつけてください。
〇実施ポイント
・ペット用酸素マスクがあれば、ペットに合うサイズのマスクをアンビューバッグに取り付け、酸素供給ホースを接続して酸素吸入を行いながら、心肺蘇生法を継続します。
・獣医到着後、獣医による投薬を行いながら心肺蘇生法を継続する場合もあります。
いかがでしたか?
人間の気道異物除去の方法ととても似ていると思いますので、消防士の皆さんでしたら簡単にできると思います。
ただ、サイズの違いによって力加減は調整してあげてくださいね。
下記の2つのビデオで具体的な酸素吸入の方法が紹介されていますので、参考にしていただけると幸いです。
FIRE SAFETY: Pet Oxygen Mask(出典:YouTube)
In Case of Fire, Oxygen Masks for Pets(出典:YouTube)
もし、現場で重傷を負ったペットに遭遇したならば、消防活動の一環として人命救助の次には「ペットの救急処置」を行っていただき、「助かる命を助けていただきたい」と心から願っています。
日本の消防士の方で、ペットの救急法を受講されたい方はぜひご連絡ください。ペットの検索方法、救出法、搬送法、救急法、観察法等をご指導させていただきます。
ペットセーバー
http://petsaver.jp
ここにご紹介したコンテンツは、私がインストラクターとして所属している2つの団体、アメリカ最大のペット救急法指導団体であるPetTechのThe PetSaver™ Program、そして、消防士のためのペット救急法指導団体、BART(Basic Animal Rescue Training)ら出典しています。
PetTech
http://www.pettech.net/
BART(Basic Animal Rescue Training)
http://basicanimalrescuetraining.org/
BARTのブログで紹介されました。
http://goo.gl/ZoJoX6
(了)
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/06/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方