1、気道異物除去とは

気道とは呼吸するときの空気の通り道であり、鼻・口から肺に至る部分に食べ物や嘔吐物、異物が詰まると窒息し、放置すれば死に至ってしまいます。しかし目の前で窒息したペットは、迅速に気道異物除去を行うことで救命可能になります。

なお、犬に多い窒息原因は次の通り、口に入る大きさのものがほとんどです。

・おもちゃ(ゴムボール、ぬいぐるみのパーツ、電池、部品等)による窒息
・犬のガムやジャーキー、豚の耳や動物の骨片を飲み込みきれずに窒息
・ヘアゴム、洗濯ネット、飼い主の靴下や下着を飲み込んでの窒息
・ビニールに入ったえさをビニールごと食べてしまったことによる窒息
・食べ物がくるまれていた包装紙を飲み込んだことによる窒息
・ソファーやクッションの綿を引き出して飲み込んだことによる窒息
・ビニールひもなど、ゴミを噛み散らかして遊んでいての誤飲窒息
など

ほとんどの要因は飼い主の飼養環境管理によって免れるものですが、犬は本能で生きている動物でその行動は素早いため、事故を予防しようとしても間に合わない場合もあるようです。

2、気道異物除去の対象

・何かを吐き出そうとしていて、なかなか出せそうにないとき
・吐き出せずに倒れてしまった場合
・吐き出そうと咳をしていたが窒息で咳をしなくなったとき

犬や猫が異物を吐き出そうとする場合は、前足を踏ん張り、下方約45度に口を大きく開いて咳き込むことが多いです。

飼い主から何を飲み込んだのかを聞くことも参考になる場合があります。たとえば、ビニールに入った骨型のクッキーを飲み込もうとして窒息した場合は、喉を通り越したところで引っかかっているクッキーの向きによって、手前に出ているビニールの引っ張る方向が変わってきます。

出典:My Assistance Dog Inc.