2020/06/03
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
熱中症について
熱中症(熱射病、日射病)は、蒸し暑い室内や車内での留守番、暑さが厳しいなかでの散歩や運動などが原因で発生します。
急激な体温の上昇により、あえぎ呼吸(パンティング)、よだれ(流涎)といった症状が現れ、ひどい場合には呼吸困難や吐血、血便などを起こし、時に命に関わることもあります。
急激に体温が高くなり、よだれを出し、ハァハァと息苦しそうにする
(1)熱中症の症状
急激な体温の上昇(40度以上)のため、口を大きく開けて、ハァハァと息苦しそうに呼吸をして体温を下げようとしたり、よだれを大量に出したりするほか、悪心や嘔吐、下痢、一時的にふらついて倒れてしまうなどがあります。
(2)熱中症がさらに進行した場合
虚脱や失神、筋肉のふるえが見られたり、意識が混濁し、呼びかけにあまり反応しなくなったりします。さらには、完全に意識がなくなったり、全身性のけいれん発作を起こしたりすることもあります。
症状がかなり進行すると、吐血や下血(血便)、血尿といった出血症状や、酸素をうまく取り込めずチアノーゼが見られたり、最悪の場合はショック症状を起こし、命に関わることもあります。
冷房や換気のない室内や車内での留守番、日中の散歩や運動など
犬は汗腺が主に肉球にしかなく、人間のように発汗による体温調節があまりできません。したがって、暑くなると舌を出してハァハァと速く浅い呼吸(パンティング)を行って唾液を蒸散させ、気化熱で体温を下げようとします。体温調節のほとんどを呼吸に頼らざるを得ないため、その分、人間よりも高温多湿の環境に弱く、特に水を十分に飲めない場合は熱中症になりやすいといえます。
次のようなケースが、熱中症を引き起こす原因となるでしょう。
蒸し暑い日に車内で留守番させる
日差しの強い駐車場で、エアコンをつけずに停車した車内は、熱がこもって温度が急上昇します。また、駐車したときは曇りでも雲や太陽は動くので、快晴になって気温が一気に上がります。
そのような車内では、たった数分で熱中症になってしまうことがあります。また、エアコンの代わりに窓を少し開けたとしても、外気も25度以上であれば車内は温度が上昇し、留守番している犬は熱中症になる可能性が高くなります。
閉め切った室内で留守番させる
閉め切った室内、特に気密性の高い集合住宅などでは、想像以上に室温が高くなります。カーテンをせずに直射日光が室内に入り込む状態や、ケージの中などに入れ、犬が自分で涼しい場所に移動できない状態での留守番はさらに危険です。
また、エアコンをつけているからといっても油断はできません。日の当たりやすい場所にケージを置き、その中で留守番させるような場合にはエアコンの効き目が弱く、熱中症になる危険があります。
蒸し暑い日に、屋外で過ごす
炎天下の野外、海や山などで遊ばせたり、直射日光の当たる場所での外飼いも、熱中症の原因となります。日陰のないコンクリートの上など、照り返し(放射熱)の強い場所は特に危険です。
蒸し暑い日や時間帯に散歩に連れ出す
蒸し暑い日中の散歩も、しばしば熱中症の原因となります。真夏のアスファルトの上は50度近くに達します。地面近くを歩く犬は照り返しによる放射熱を受けやすく、一緒に歩く人間の想像以上に暑さを感じるでしょう。また、高温のアスファルトやマンホールの上を歩けば、足の裏(肉球)がやけどするという別の危険性もあります。
- keyword
- ペットライフセーバーズ
- ペット
- 熱中症
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方