より重要になるファシリテーターの役割
第9回:ウェブ会議を考える(3)

本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2021/02/03
感染症時代のリスクマネジメント
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
前回は、ウェブ会議を効果的に活用するために留意するべき点を説明しました。今回は、ウェブ会議を円滑に進めるために欠かせないファシリテーターの役割と進行にあたっての留意点について解説します。
ファシリテーターの役割を一言で表現すると「会議の進行役」ですが、単に会議を進めるだけではなく、参加者の活発な意見交換を促すことも重要です。さらに、出された意見を踏まえ、参加者が満足できる結論に到達できるようまとめていくことなどが求められます。
ファシリテーターが、会議を活性化するために行う役割には次のようなことがあります。
・発言しやすい雰囲気をつくる
ウェブ会議の場合は、開始時間にウェブ会議室に入ると、そのまま会議が始まる形になりますから、状況によっては近況報告などのウォーミングアップも必要です。
・意見を促す
単に「ほかに意見はありますか」という形だけではなく「参考になる事例はありますか」「どのような手法が考えられますか」のように、具体的な問いかけをすることも大切です。
ほかにも
・話しすぎる参加者がいれば、コントロールする
・論点がずれてきた際は、軌道修正する
・意見やアイデアの交通整理
・最終的なまとめ
・次回に向けてのアクション提示
などがあります。
従来のリアル会議においてもファシリテーターは必要ですが、特にウェブ会議の場合は、その特徴からファシリテーターの役割が重要となります。
それは、ウェブ会議では参加者がそれぞれ離れた場所にいながらコミュニケーションをとるため、リアル会議とは異なり、場を共有しているという一体感が生まれにくくなるためです。また、画面を通しての表情と音声だけで相手の言いたいことやその背景などを理解する必要がありますから、リアル会議より難易度が高くなります。
そこでファシリテーターは、ウェブ会議で起こりがちな問題点を解消しつつ、議論の活性化と円滑な進行を図ることとなります。
感染症時代のリスクマネジメントの他の記事
おすすめ記事
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方