2021/05/25
ニューノーマル時代の労務管理のポイント
2. 70歳までの雇用のポイント
厚生労働省の「高年齢者の雇用状況」(令和2年)によると、66歳以上まで働ける制度のある企業は、54,802社と全体の3割程度となっています。65歳を過ぎても働ける制度を設けている企業では、安定的雇用を希望する若手人材の維持・確保やシニア人材の働く意欲や生産性の向上などが目的として掲げられています。
今後においては、改正法を踏まえ、70歳までの継続雇用制度や創業支援措置の導入に積極的に取り組む企業が増えるものと思われます。実際、定年制を廃止したり、定年を60歳から65歳に引き上げる企業も見受けられるようになっています。
ただ、定年制の廃止や延長は人件費増加をもたらします。そのため、定年制の見直しを行う際は、人事評価制度や賃金制度についても見直すことが必要となります。
また、高年齢社員の労働生産性を低下させないための仕組みづくりも必要です。具体的には、高年齢になってもモチベーションを維持し、一人一人が有する経験や技能、特性を生かして業務を遂行することができるよう、全社員を対象としたキャリア面談を定期的に実施したり、スキルアップ研修などを実施することが考えられます。
さらに、高年齢社員が働くことを前提とした職場環境の整備も大事。体力、視力、敏捷性などは加齢とともに低下するため、社員の年齢が高くなるに伴い、労災リスクも高まります。社員の健康状態を定期的に確認し、社員が安全に安心して働ける環境を整備することは、高年齢社員のみならず、全社員にとっても意義のあることであり、生産性の向上にもつながるでしょう。
①人事評価や賃金制度の見直し
②モチベーションを維持し、労働生産性を低下させない仕組みづくり
③年齢にかかわらず安全に安心して働ける職場環境の整備
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