2016/10/23
誌面情報 vol51
新型インフルエンザ感染対策にマスクを備蓄する企業は多いが、マスクの種類や正しい装着方法をしっかりと伝えている企業はどのくらいあるだろうか。
用途と違うマスクを使用したり、しっかり顔にフィットしていなければその効果は半減するという。欧米では、マスクのフィットテストを企業に義務化し、マスクを装着する従業員には毎年マスクの正しい装着方法に関する講習会などを義務付けている国が多い。
1960年代に世界で初めて現在のマスクの原型を開発したスリーエム社日本法人に、正しいマスクの使用方法について話を聞いた。
編集部注:「リスク対策.com」本誌2015年9月25日号(Vol.51)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。(2016年10月23日)
現在、一般に使用されているマスクが開発されたのは1960年代の米国。当時、マスクといえば今でいうガスマスクのような、重く、苦しく、会話のしづらいものしかなかった。当時の米国スリーエムの技術者が、マスクに吸水性の高い不織布を利用することを思い立ち、主に工事現場で発生する粉じんなどから呼吸器官を防護するために開発したのが、現在のマスクの原型だ。
「一般的に日本で『マスク』と呼ばれているものはサージカルマスク、フェイスマスクと呼ばれるもの。組織内で重要な業務に携わり、インフルエンザなどの感染リスクを少しでも減らす必要がある場合には「N95」と呼ばれる粉じんマスクが有効です」と話すのは、スリーエムジャパン安全衛生製品学術部の片岡克己主任。
インフルエンザなどの感染の第一歩は、感染者からの“くしゃみ”“せき”や“会話”による飛沫感染だ。感染者から出される飛沫を吸い込んだり、あるいは飛沫が何かの物体に付着し、それを誰かが運ぶことによって感染は広がっていく。片岡氏は、「まず大事なことは、発生源である感染者にサージカルマスクを着用してもらい、周囲への感染スピードを遅らせること」と話す。インフルエンザなどの感染症が流行る兆しがあれば、感染しているか、していないかに関わらずマスクをした方がより安全といえる。
誌面情報 vol51の他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方