信頼を支える「基盤」となるガバナンス
第7回:「スポーツ団体ガバナンスコード<中央競技団体向け>」について1

山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2022/03/07
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
前回の連載では、スポーツ・インテグリティという言葉・概念の出現によって、スポーツを巡る諸問題がこの新たな概念の下で再構成された上で、その対応策・取り組みが体系的・有機的に構築されていくことが可能となったことをお伝えしました。
また、2018年は社会の注目を集めるセンセーショナルな出来事がスポーツ界で多発し、スポーツ・インテグリティを掲げた提言等が立て続けに出されることになったわけですが、いわばその一連の事象が行き着いた先が、同年12月20日にスポーツ庁により公表された「スポーツ・インテグリティの確保に向けたアクションプラン」でした。
そして、そのアクションプランの筆頭に掲げられているのが「1.スポーツ団体における適正なガバナンスの確保」「(1)「スポーツ団体ガバナンスコードの策定、スポーツ審議会における審議」となっています。連載第7回目となる今回は、このうち、スポーツ団体のガバナンスの在り方についての指針を定めている「スポーツ団体ガバナンスコード」に着目してみたいと思います。
なお、スポーツ団体ガバナンスコードは、スポーツ団体の差異に着目して「中央競技団体向け」と「一般スポーツ団体向け」との2種類が策定・公表されていますが、本稿では「スポーツ団体ガバナンスコード<中央競技団体向け>」を取り上げることにします。
中央競技団体は、特定のスポーツに関する国内における統括団体であり、公益財団法人日本陸上連盟や一般社団法人日本身体障害者アーチェリー連盟といった団体が含まれます。また、オリンピックやパラリンピックに参加するために不可欠な統括団体となっているため、本連載をお読みいただいている皆様にも、報道等で馴染みがあるものであるといえるからです。
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