判断のもとになる「情報」「常識」が歪んでいる
第55回:価値観の棚卸しの必要性(1)
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2024/01/12
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
大きな時代の変化、歴史的うねりを体感する。2024年は歴史にその変化の元年と位置付けられるかもしれない、そんな予感すらする状況である。
中東情勢は、一時は平和に向かう様相に見えていたが、それも束の間、残虐な大規模テロが行われ、戦争状態に陥った。中東は、安倍総理時代の日本外交でも解決に向かえず、数少ない外交上の失敗を当時の安倍元総理も認めざるを得ない状況であった。
それがさらに時間とともに悪化に向かい、テロの脅威が顕在化し、国際的な輸送経路の安全も脅かされる状況にまで至っている。かつて歴史的親日国といわれた国家ですら大きく変貌しているのが現実だ。
また、中央アジアの親日国家が日本在住の人物、組織をテロと認定し資産凍結を実行したことも明らかになった。災害支援募金の一部がテロ勢力の資金援助に使われたとの憶測も出まわった。真実は現時点で不明であり、当事者は否定しているが、日本国政府としてのスタンスがいまだ明確にされていないのはなぜだろうか。
歴史的には、国家による民族弾圧、ジェノサイドの被害者が脱出し、その国家にテロ認定されるケースもあった。その事例では、その人物は弾圧を受けていた被害者側であり、後に米国などがテロリストではないと判断し、日本も同じ判断をしている。しかし今回のケースは、それと同じであるとはいい切れない状況である。
一方で、不法滞在者の法を逸脱する迷惑行為によって地域の治安が悪化し、法の厳格な執行を要請する地方議会の決議がなされるまでの事案にまで発展している。これらはリスクとして関連付ける必要があるかもしれない。
一時ほどウクライナの戦況は報道されていないが、いまだ膠着状態で停戦、終戦のめどは立っていないのが現実だろう。そのような状況において、米国議会で予算が否決されるなど自由主義国家勢の支援も続かない様相を見せてきており、暗雲が垂れこめている。そうした状況下でも日本では終戦後に向けた復興支援会議が設定されており、オープンになっている情報だけでは理解しかねる不思議な状況である。
日本近郊では台湾情勢がいまだ不穏な状態で、日本のEEZ内にブイを設置される問題が発生しても、政府は相変わらずの『遺憾砲』に終始し何ら解決の方向性を見出せていない。尖閣周辺では中国当局の船による航行が常態化し、領海侵入も繰り返され、北朝鮮からはミサイル発射が日常化している。
さらに、元旦に能登半島地震が発生し、その翌日羽田空港で事故が発生。新年早々大変な幕開けをした。被害を最小限に抑える救援活動、被災者を支える救護活動が最優先の状況であるが、地震発生24時間以内にあった台湾よりの災害支援の申し出を、日本政府はなぜか断っている。
このような混とんとした環境において、かつて日本が世界に提唱した「自由で開かれたインド太平洋」という戦略が、いつの間にか「自由で開かれた国際秩序」に置き換わろうとしている。それで元来の戦略的主旨が保てるのだろうか。理解できない事態に思える。
再考・日本の危機管理-いま何が課題かの他の記事
おすすめ記事
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/08/05
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/04
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
事例研究で有事に備え、組織の体質改善で形骸化を防ぐ
組織レジリエンスの強化やサイバーセキュリティーの向上、サプライチェーンの強靭化など、危機管理やリスク管理担当者が関与する領域は年々拡大している。変化する社会状況にあわせ、担当者はどのように学び、備え、対応することが求められるのか。森総合研究所代表の森健さんは、自治体と企業で危機管理担当者としての経験を積み、現在はコンサルタントとして、企業や団体の危機管理の支援を手がけている。自身の経験を踏まえ、危機管理の担当者にどうアドバイスしているのか、話を聞いた。
2026/07/27
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方