2019/05/17
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
意外とクルマは曲がれない
ちょっと細かい計算になるので、苦手な人はここ、スルーして結論だけ見ていただければと思いますが、ハンドルは片側にどのくらいくるくる回せるかというと、だいたい1.5〜2回転回るようになっています。間をとって1.75回転だとすると、角度でいえば630度まで(360度×1.75回転)ハンドルは回せるってことになります。
でも、さっきも書いたように、人がとっさに回せるのは180度程度です。630度分の180度だから、頑張っても29%しか回せていないってことになりますね。
そして乗用車だと前輪の最大切れ角というのは、概ね35度前後で設計されているそうです。だとすると35度の29%しか動かせないのだから、実際にタイヤの向きが変えられるのは、せいぜい10度ぐらいです。
しかも、それでクルマの向きが10度変わるのかといえば、そうはなりません。ハンドルを切ると「スリップ角」というタイヤの向きと進行方向のズレが発生するので、クルマの向きが変わる量はタイヤの角度より小さくなってしまうのです。これを3度ぐらいと仮定すると、実際のクルマの向きは7度程度しか変えられないという事になります。
頑張って7度。
そして、クルマが瞬間的に7度向きを変えたと仮定して、どれくらい車を横に移動させられるか計算すると、
クルマのほぼ正面に人がいたら、避けるのは絶望的ってことですよね。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
過疎高齢化地域の古い家屋の倒壊をどう防ぐか
能登半島地震の死者のほとんどは、倒壊した建物の下敷きになって命を落とした。珠洲市や輪島市の耐震化率は50%程度と、全国平均の87%に比べ極端に低い。過疎高齢化地域の耐震改修がいかに困難かを物語る。倒壊からどう命を守るのか。伝統的建築物の構造計算適合性判定に長年携わってきた実務者に、古い家の耐震化をめぐる課題を聞いた。
2024/03/28
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月26日配信アーカイブ】
【3月26日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:四半期ニュース振り返り
2024/03/26
-
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月19日配信アーカイブ】
【3月19日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:副業・兼業のリスク
2024/03/19
-
リスク担当者も押さえておきたいサイバーセキュリティ対策の最新動向
本勉強会では、クラウド対応のサイバーセキュリティ対策の動向を、簡単にわかりやすく具体的なソリューションの内容を交えながら解説します。2024年3月8日開催。
2024/03/18
-
発災20分で対策本部をスタートする初動体制
総合スーパーやショッピングモールなど全国各地のイオン系列の施設を中心に設備管理、警備、清掃をはじめとしたファシリティマネジメント事業を展開するイオンディライト(東京都千代田区、濵田和成社長)。元日に発生した能登半島地震では、発災から20分後にオンラインの本社災害対策本部を立ち上げ、翌2日は現地に応援部隊を派遣し、被害状況の把握と復旧活動の支援を開始しました。
2024/03/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方