健康は互いに願いあってこそ。単に「気の緩み」と揶揄されるべきではない(写真:写真AC)

人は時に病を患う。病の予防は各個人の健康管理が基本である。しかし、どれだけ用心しても不幸にして病に伏すこともある。それは単純に気の緩みとして揶揄されるべきではなく、体質の問題や、環境要素もある。人生において病はリスクなのである。

病というリスクへの対策は、いうまでもなく普通に普段から心がけていることが多いだろう。それでも病を患うという危機状態に直面した時、その実態に即し、自宅静養する場合もあるだろうし、医療サービスの世話になり治療を受けることや、入院することもあるだろう。

極めて当たり前のことだが、この当たり前のことがコロナ禍で当たり前ではなくなっているので、あえて書かせていただいた。

いまだから話せるコロナ禍当初のこと

2020年2月、海外でのコロナ感染蔓延が報道され、ダイヤモンドプリンセス号事案が発生した頃、筆者は家族やほんの一部の理解いただける方に限り、次の様に語った。「しばらくの間、風邪はひくな」である。

多くの人は「そんな無茶苦茶な」「精神論に過ぎない」と、理解いただけないかもしれない。だからこそ信頼関係の盤石な近しい人にだけいっていた。しかし、考えてみてほしい。受験生や大事な試合を控えたアスリートは、同様に注意されることが常識ではないだろうか。

風邪は万病のもと。特にコロナ環境下では健康管理の徹底が重要に(写真:写真AC)

我が家は基本的に体育会系一家なので、何の違和感もなく理解してもらえた。もちろん精神論ではなく、具体的な行動に反映されるかたちで。その結果、今日まで家族全員、風邪をひかずに無事に過ごせている。風邪をひく可能性がなかったわけではなく、これから風邪をひいてしまうことも否定はできない。結果ではなく、最大限の努力をしたことに意味があると考えている。

では、なぜそこまでいったのか。健康管理は当然大切だが、新型コロナが流行する状況においては、次の理由による

①風邪をひくことは免疫力を低下させてしまうのでコロナ感染のリスクも高まる

②風邪と新型コロナの感染経路は同様であり、同時にコロナ感染予防になる

③単なる風邪であろうとも、発熱や風邪症状はその時点で社会的にはコロナと同様の扱いを受け、極めて面倒くさい対応を強いられ、周囲にも迷惑をかける

④単なる風邪でも、コロナウイルスに曝露し非感染状態で検査陽性とされる可能性がある

風邪をひくことで被る被害は想像以上に大きいのだ。