地上波メディアと専門家の相互依存関係
第18回:情報活用の方法論(3)
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2022/06/24
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
今回は専門家の発信がある意図を持っているケース、学術的に純粋な発信ではなく別の目的ありきのパターンについて考察すると予告した。このケースは、ある意味、悪意ある行為である可能性があるので最も注意すべきであろう。
「悪意」というといささか表現としては行き過ぎの感もあるが、自己の利益を優先することで、最初は控えめなバイアスだったかもしれない発言を否定できず、徐々に負のスパイラルに陥り、エスカレートして抜き差しならない状態になることは容易に想像できる。最初は「悪意」でなくとも、明らかに論理性を欠く強弁が生まれてしまった時点で「悪意」と表現するに相応しいと思えるのだ。
地上波メディアが登用しない専門家の具体例を挙げよう。
コロナ禍において、専門家の意見はさまざまであった。しかし現実社会は、インフォデミックといわれるほどの状態に陥ったように、電波系メディアで発信する専門家の評論は総じて危機感を煽る一色に染まっていたといっても過言ではないだろう。この構造は、煽り報道で視聴率を稼ぐというメディア側の意図に合わせて、煽る発言に終始する発言者がメディアに出演する機会を得られる相互依存のかたちだ。
その事実を裏付ける実例として、論理的に是々非々の解説を繰り返す元厚生労働省医系技官の木村盛世女史は、当初こそ電波系メディアの出演はあったが、その後ほとんど出演していない。木村女史の発言の論理性は、落語家の立川志らく師匠の華麗な転身でも証明されている。
志らく師匠は、最初はコロナ煽りの発言をメディアで繰り返していたが、あるラジオ番組で木村女史と共演して以来、考えを根本的に改め、その後の発言が論理的になったことは有名である。強行で感情的な思考を持っていた人物を目覚めさせるほど論理的な専門家は地上波メディアへの出演が難しいのだ。
再考・日本の危機管理-いま何が課題かの他の記事
おすすめ記事
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/23
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方