連載・コラム
-
-
-
-
-
-
-
「命を守る」「建物・生産施設や什器・備品などのハードを守る」「地域の安全に貢献する」
これまで日本は多くの地震に見舞われており、2011年に東日本大震災、そして2016年には熊本地震が発生し、それぞれ大きな被害が出ています。また、南海トラフ巨大地震や首都直下地震の被害想定も東日本大震災後に見直しが終わっており、その被害の大きさが懸念されています。併せて近年は、地球温暖化の影響もあり、集中豪雨や台風に見舞われる頻度が増え、その被害も激甚化しています。しかしその一方、特に中小企業では、防災計画がまだ策定されていなかったり、あるいは地震以外の災害に対する備えが不十分であったり、防災への準備もまだまだこれからという状況です。この連載では、防災活動を始めなければならないと考えている、あるいはトップから防災計画を策定するように言われているが手がつけられていない担当者に向けて、「これだけはやっておこう」という点を中心に解説します。
2019/08/28
-
明治期お雇いオランダ人技師、ファン・ドールン
ファン・ドールンの銅像(本山白雲作)が福島県の猪苗代湖北西湖畔の日橋川・十六橋の傍らに湖面を見つめて立っている。この立像は明治初期にお雇外国人として招へいされたオランダ人技師中で最初に建立された。80年以上を経過した今日も、銅像の発する威光はいささかも衰えを見せていない。第二次世界大戦の最中、銅像が政府の命令で金属供出にさらされそうになった際、地元の農民等が銅像を足元から切り離して地中に隠し、戦後になって再び台座に納めた。戦時中の勇気ある行為はよく知られた逸話だが、安積疏水(あさかそすい)の恩恵を受ける地元民のドールンに対する敬愛の念をあらためて伝える。
2019/08/26
-
-
-
-
-
-
-
-
米の質を高めれば被災者の健康が改善される!
普段、私たちが食べている主食は、米以外にパンや麺などさまざまですが、東日本大震災で最もよく食べられたのは米でした。熊本地震でも、国がプッシュ作戦で食料支援した主食のうち最も多かったのは米です。米飯の比率は食料全体の支援の約半量を占めました。米飯が果たす役割はそれだけ大きいと考えられます。そこで、今回は米の質を高める提案をしたいと思います。なぜなら、これまでの回で指摘してきたように、災害時は普段の食事に比べて栄養が不足し健康を保ちにくいからです。主食だけで、おかずが無いというお粗末な状況に陥ることもこれまでに紹介してきた通りです。
2019/08/06
-
第2回 トイレ問題は命にかかわります
前回の記事では、「水洗トイレはシステムであること」「トイレは、備えや支援から抜け落ちること」「排泄は待ったなしであること」を書きました。 簡単にまとめると、大きな地震や水害のときは水洗トイレが使えなくなります。ですが、発災後6時間以内に約7割の人がトイレに行きます。トイレの備えがなければ、トイレが大小便で一杯になり劣悪な衛生状態となります、という話でした。 もちろん劣悪なトイレは超不快なので、それだけでも問題なのですが、そこが問題の本質ではないのです。先に結論を言うと、トイレ問題は命にかかわります。トイレ問題が引き起こす2つの深刻な事態とは「一人一人の健康被害」と「集団での感染症」です。いずれも関連死につながる重大な課題として認識すべきです
2019/08/02
-
-
-
-
-
-
自助、共助、公助から考える京アニ事件
京アニ(京都アニメーション第1スタジオ)で7月18日、放火事件が発生し、取り返しのつかない痛ましい悲劇が起きました。 私は、この事件をテレビや新聞報道で見たとき腑に落ちない点がいくつかありました。そこで7月26日、火災現場を訪ねてみることにしました。同時に宇治市役所総務課、観光振興課、宇治市消防本部などを取材訪問しました。また京アニ第1スタジオの近隣住民にもお話をうかがいました。そこで得た貴重な情報を取り入れながら、疑問点を解きほぐしてみたいと思います。それは3つの視点、すなわち、会社とその構成員の自助、共助としての地域の役割、事件を取り巻く公助の役割で、順番に述べたいと思います。災害食とはかけ離れた内容ですが、自助、共助、公助という枠組み、そして本気で考えることはどの事故も災害も共通に求められるものです。
2019/07/30
-
-