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安心、それが最大の敵だ
内務技師・青山士の晩年と死
戦前の内務省土木局を代表する技師(技術官僚)の一人、青山士の生涯を簡単にスケッチしてみよう。青山は現在の静岡県磐田市に生まれ、東京帝国大学工学部卒業と同時にアメリカに渡り、パナマ運河開削工事に唯一の日本人土木技師として従事した。その技術力や人格はアメリカ技術陣からも高く評価された。7年半従事した後、帰国し内務省技師となった。荒川放水路開削(東京都)、鬼怒川治水事業(茨城県など)、大河津分水改修工事(新潟県)などの大事業を手掛けた。その後内務省技監(技術官僚最高ポスト)、土木学会会長を務めた。青年時代に無教会主義クリスチャンの内村鑑三の影響を受け土木事業に天職を見出した。終生、無教会主義のクリスチャンであった。
2019/09/24
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福祉と防災
台風15号「地域支えあいセンター」早期設置を
2019年9月9日未明に千葉県に上陸した台風15号は、千葉市で最大瞬間風速で秒速57.5 メートルを記録し、大きな被害をもたらした。特に、その後の停電、断水などにより市民生活に大きな支障を来たしている。被災された皆さまには、心からお見舞いを申し上げたい。
2019/09/24
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ディスコが長野・熊本でBCMセミナー
半導体製造装置メーカーのディスコは、「事業継続活動セミナー」を同社の事業所がある長野県茅野市と熊本県益城町で開催する。参加は無料。茅野市は24日、益城町は30日に開催。茅野市開催分は当日午前まで申し込み可能。
2019/09/20
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アンサンヒーロー・警備員の社会的地位向上を目指して
知ってほしい「縁の下の力持ち」の存在
日本はずっと、水と安全はタダと言われてきました。しかし、今ではコンビニでペットボトルの水が売られ、お金を払ってミネラルウォーターを購入することが普通の光景となりました。健康のために1日2リットルのミネラルウォーターを飲むとか、はやりましたよね。では、水と同じようにタダと言われてきた安全ですが、安全な生活のために皆さんは費用をかけていますか? 水は買うのに、安全は?
2019/09/20
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日本企業が失敗する新チャイナ・リスク
三社見積もりという愚
前回のコラムでは、日本人駐在員と現地スタッフの待遇の差について話しましたが、今日はその中で現地スタッフが給与以外にお金をもうけようと、たくましく頭を使っていろいろな手段を講じていることをご紹介しましょう。
2019/09/20
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アマゾンの強さの秘密は「安全」にあり
アマゾンにおける安全の仕組みづくり
アマゾンはとにかく仕組みづくりが好きな企業です。それは創業者のJeff Bezosの考え方によるところが大きいと思います。Jeffの言葉で有名な言葉に「Good intention doesn’t work, only mechanism works!」という言葉があります。意訳すると「善意だけでは十分ではない。仕組づくりが重要だ」と受けとれます。
2019/09/20
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危機管理の神髄
米国災害システムの神話
ニューオリンズ市緊急事態準備部副部長のカール・メテイリーは40時間以上寝ていなかった。市の首席行政官のオフィスの9階にある薄暗い緊急事態対策本部(EOC)の混沌の中を歩くとき、自分の将来にうたた寝などというものがあるとはとても思えない。典型的な日には大きな会議室くらいのこのスペースで30名は快適に仕事をすることができたであろう。今は、立ち止まっているグループ、机に座っている人、静かにしている人、そうではない人、会話をしている人、電話をしている人、壁に掛けられた一列のテレビモニターをぼんやり見ている人で、少なくとも100名の人がいる。
2019/09/20
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危機発生時における広報の鉄則
「私は〇〇をして責任を取ります」
18年前、私がリスクマネジメントを勉強し始めたときに、ある金融機関の広報部長がこうつぶやきました。「ああ、大変な時代になった。前は責任なんか取らなくてもよかったのに、今は責任を取らなくてはいけない時代になった。生きにくいよ」。この言葉はいつまでも違和感として私の中に残りました。「責任を取らなくていい時代なんてあったのかな?」と。以来、責任とは何か、と考えながら不祥事の結末を追いかけるようになりました。今回は、経営責任の取り方について考えてみましょう。原稿を書き始めたら、日産の西川社長の辞任ニュースが飛び込んできました。皆さんと一緒に考えるちょうどよいテーマとなりました。
2019/09/19
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拡大するサイバー攻撃の標的
経営の屋台骨を揺るがす大規模損害に備えよ
第3回では、M&Aに関連したサイバーセキュリティーについて考察しましたが、今回(最終回)は、より多くの日系企業が共通して抱える「海外子会社のサイバーリスク」について、事故例の紹介とリスク転嫁策としてのサイバー保険の重要性について解説します。
2019/09/19
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もしも大災害で社員が被災したら?
賃貸借契約の紛争、災害ADRによる解決を
被災地でおきる紛争として多い類型のひとつに「賃貸借契約」をめぐる紛争があります。特にアパートやオフィスが多い都市部で非常に件数が多くなり、全相談に占める割合も高くなる傾向にあります。東日本大震災の宮城県や、熊本地震の熊本県では、1年間を通じてもっとも相談の多いカテゴリーとなりました。弁護士の無料法律相談にも、当事者から多数の相談が寄せられました。
2019/09/18
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ロックフェラー財団100RCに見る街づくりのポイント
洪水リスクやインフラ老朽化への対策
今回は、デンマークのヴァイレという街のレジリエント戦略についてです。ヴァイレは、北欧諸国から唯一100RCに選ばれた街です。~皆が共に、ロバストで持続可能な街~をスローガンに、2016年にレジリエント戦略を策定しました。注力する分野は市民参加、デジタル化、そしてソーシャルレジリエンス構築の3つです。人口規模は11万人程度。小さな街が、大きな社会課題を解決する――ことを高々に謳っています。
2019/09/18
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安心、それが最大の敵だ
太平洋戦争下、隠ぺいされた大地震と大被害
昭和19年(1944)12月7日の昭和東南海地震と翌20年(1945)1月の三河地震は、軍部によって報道管制が敷かれ完全に隠ぺいされた。当時、日本は太平洋戦争の最中であり、しかも敗色が濃厚となっていた。軍部は軍需工場の被害状況などの情報が連合国に漏れることを恐れ、情報を統制した。新聞・ラジオ報道を禁じたのである。昭和東南海地震は翌8日がマレー半島侵略3周年(大詔奉戴日)ということもあり、戦意高揚に繋がる報道以外の情報はより一層統制された(12月8日の各紙1面トップは、いずれも昭和天皇の大きな肖像写真および戦意高揚の文章で占められている)。言論・報道の自由などどこにもなかった。
2019/09/17
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企業よ、サイバーリスクに備えよ
人・組織で行うサイバーセキュリティ対策
今回からは組織に関するサイバーセキュリティ対策について触れていきます。アプリケーション、プラットフォーム、クライアント端末およびネットワークなどのシステムだけで防御対策するには、やはり限界があり、サイバー攻撃のリスクをゼロにはできません。したがって、企業はマルウェア感染してしまった、DDoS攻撃でサーバーが落ちてしまったなどのサイバー攻撃によるインシデント発生後のアクションを事前に検討する必要があります。この対策のキーポイントは“人、組織”による初動対応です。
2019/09/17
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災害対策と地域企業との連携 ~自社の大規模災害対策と豊洲地区周辺企業との取り組み~
発表者は、SCSK株式会社 総務部管理・企画課 課長代理の中村昌善さんです。
2019/09/16
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危機管理の要諦
企業、個人、行政全てに共通する台風15号の課題
いつまで長期化するか分からない大規模停電、被害の全体がいまだにつかめない住宅被害、発災当初に生じた鉄道各社の運休や遅れによる大混雑など、今回の台風15号ではさまざまな問題が露呈した。1週間が経った今、あらためて課題を整理すると、風害への想定の甘さと、被害状況の確認の遅さの2点に集約することができる。
2019/09/16
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ECサイトでのカード不正利用を防止
マクニカネットワークスは13日、EC加盟店など向けにクレジットカードの不正利用を防止するセキュリティ対策として、「Sift(シフト)」の提供を開始すると発表した。米シフト社と代理店契約を締結。機械学習により詐欺を試みる行動を検知する。
2019/09/13
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小池都知事、企業に一斉帰宅抑制を訴え
東京都の小池百合子知事は12日、リスク対策.comの単独インタビューに応じ、都の防災政策について語った。7月に修正した東京都地域防災計画震災編の他、注力してきた女性視点の防災や無電柱化、30日まで「東京都一斉帰宅抑制推進企業認定制度」の企業募集を行っている帰宅困難者対策などを説明した。
2019/09/13
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昆正和のBCP研究室
第13回:災害リスクを選定するための方法
日本国内では地震を想定したBCPを策定するのがスタンダードになっている。これ自体はとくに問題はないのだが、スタンダードだからといって「地震」の2文字を機械的にBCPに当てはめてしまうのは、少し考えものである。
2019/09/12
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危機管理の要諦
甘かった復旧見通しの問題点は?
「いったい停電はいつまで続くのか?」「長引くことが分かっていれば動きようがあったのに」… 台風15号の影響による長引く停電の復旧作業に、怒りや戸惑い、やるせなさを感じている方は多いだろう。当初、東京電力は11日(火)中の完全復旧を掲げていたが、想定以上に被害が大きく、完全復旧は13日以降になる見通しだということが改めて発表され、見通しの甘さが露わになった。熱中症が原因とみられる犠牲者も発生し、住民の生活は厳しさを増している。発表の仕方に問題がなかったのか、リスクコミュニケーションの視点から検証してみたい。
2019/09/12
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中小企業の防災 これだけはやっておこう
前提条件を押さえ全体像を理解する
防災計画を策定することになると、「耐震チェックはどうしよう」「どのようなものを備蓄すればよいのか」、また「地震と水害の初動対応は同じでよいのか」など、さまざまな疑問が生じるかと思います。 あれやこれやと迷ううちに防災計画の着手が遅れるということが起こらないよう、まず、防災計画の全体像を理解しておきましょう。
2019/09/11
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もしも大災害で社員が被災したら?
義援金は自治体が配分、情報逃さないで
義援金(義捐金)とは、被災者を支援するための寄付金全般のことを指すのが一般的だと思います。一方で、金銭的な支援をする側からすれば、個人や法人から、直接被災者や被災事業者へ支援するケース、被災者支援や復興支援を担う団体へ支援するケース、被災地の都道府県や基礎自治体などの行政機関へ支援するケース、直接または間接的に日本赤十字へ支援するケースなど、様々なパターンがあると思います。
2019/09/11
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本気で実践する災害食
市販品で簡単に流動食を作る
災害時の食事で一番困るのは幼児と高齢者です。阪神・淡路大震災では、乾パンが硬くて喉を通らないということで、高齢者は水に浸して食べました。熊本地震では、幼児の離乳食がなかったため、栄養士さんが鍋に米の粉を入れ野菜ジュースで溶かして加熱し、流動食にして食べさせました。災害時は水と熱源がなく、肝心の食べ物が手に入りにくい状況になります。どうすればよいでしょうか? 皆さんご一緒に本気で考えましょう。
2019/09/10
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英サイバー対策、情報共有や育成に注力
2016年に英国政府が19億ポンド(約2500億円)をかけて発足させた英国サイバーセキュリティセンター(NCSC)。現在は1000人規模の職員がおり、脅威情報の把握などにあたっている。来日したNCSCの上級法執行調整官のダギー・グラント氏に英国のサイバーセキュリティ事情について話を聞いた。
2019/09/10
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セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~
危険人物抑止にバックグラウンドチェック
リスク対策.com読者の中にも、東京2020大会のボランティアスタッフに応募したという方もいるかと思います。今回も前回に引き続き、ボランティアスタッフに対するバックグラウンドチェックについてお話しをします。
2019/09/09
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安心、それが最大の敵だ
反骨の川柳作家、鶴彬
「昭和探偵 昭和史をゆく」(半藤一利、PHP文庫)中の<「街頭の抵抗者」鶴彬(つるあきら)>を再読し感動を新たにした。鶴彬の反骨精神にみちた短い生涯を是非読者の皆様にも知っていただきたくなった。以下、「昭和探偵 昭和史をゆく」など関連文献から適宜引用する。
2019/09/09