2019/08/06
本気で実践する災害食

金芽米とは
玄米を精白するときに、胚芽の基底部(金芽)と、ぬかの一部である亜糊粉層(あこふんそう)を残して精白した米です。胚芽の底にある黄色部分を残しているので、ご飯をよそうと黄色がプツプツ光るのです(図)。その結果、図のようにビタミンE、ビタミンB、食物繊維、オリゴ糖などが完全精白米より多く残っています(図)。

実際に食べ続けてみて金芽米の効果を探る
私は、こうした金芽米を食べ続けた場合、健康面でプラスの効果が期待できるのではないかと考えました。しかし、そのような実証的な報告は見当たりませんでした。そこで、次のような実証実験に取りかかることにしました。
女子学生とその家族員に3カ月間金芽米を継続的に食べてもらうことにしました。そして健康面を中心に何か気付いたら、その自覚症状を自由記入してもらいました。すると、興味深い結果が得られたのです。
1)対象者の選定と説明
下記の5つの条件に当てはまる学生を学内で公募しました。
① 米を毎日1回以上自宅で炊いて食べる
② 同居の家族もお米が好き
③米を購入している
④金芽米を食べて実験してみたいという意欲が強い
⑤体に何らかの不具合を感じ、それを治したい
2)対象者
公募を申し出したのは甲南女子大学人間科学部の4学科、21人(平均年齢20歳)でした。家族員合計62人、平均家族員人3人。趣旨説明を徹底した後、結果の記入用紙を持ち帰りました。
3)継続期間
2006年10月から12月までの3カ月間としました。
4)金芽米を届ける方法
金芽米はトーヨーライス(株)から提供してもらい、各家庭の必要量に応じて個別に宅配、米が途切れないよう配慮しました。
5)結果の回収
終了後、記入用紙をファックスで回収(回収率100%)。
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方