みなさんの消防局では消防現場活動時、何種類くらいの手信号を使っていますか?また、どのようなシチュエーションの際にどの手信号を使いますか?

消防士の皆さんでしたら各種消防操法における隊員間の消防手信号、例えば「放水始め・止め」のほか、消防ヘリコプターの誘導やホイスト時、ワイヤー操作時、指揮者の指揮棒による命令などを使っていらっしゃると思います。

ただ、現場活動中に手信号による緊急退避や緊急脱出、要救助者発見信号、前方危険信号などはあまり使ったことがないと思います。

今回は消防現場で使える手信号についてご紹介いたします。

まず、次のビデオをご覧ください。


Singing Hands: Five Little Firemen - with Makaton(出典:YouTube)

上記のビデオのように消防活動に特化した日本語の手話をピックアップし、使いこなせれば、さらに明確な隊員間の意思疎通が可能かと思います。

もしご関心のある方は、日本手話協会などに協力依頼を求めて消防活動に活用できる手話を会得すれば、 要救助者が日本語手話のできる聴覚障害者の場合の救助や避難誘導、火災予防訓練などにも役立つかも知れません。救急隊員も筆談具がない場合は、消防手話で最低限のコミュニケーションが可能になることが考えられます。

1、消防現場の多様化に応じた手信号

手信号は道具のいらないコミュニケーション術ですので、無線機のバッテリーが切れた場合や無線の不感地帯でも、お互いの手信号が目に見える位置にいればコミュニケーション可能です。

広域災害現場で視認性のある場所はもちろん、火災現場内でも空気呼吸器の面体着装状態での隊員間のコミュニケーションを行う場合、 「この先転落危険」「脱出開始」「音を聞け」「理解できない」「爆発物発見」などの具体的で素早く意思を伝えることが出来る手信号を統一しておくと、現場活動がよりスムーズかつ安全に行える可能性が高くなります。

あくまでも参考までですが、下記の表をご覧ください。この手信号はスタンダードハンドシグナルと言って、NATO軍など合同部隊で使うためのスタンダードハンドシグナルです。もちろん、この通りに手信号をまねる必要はないと思います。

写真を拡大 接近戦での標準化信号