海外リスク
-
米中貿易摩擦長期化、日系企業も岐路に
有限責任監査法人トーマツは8月31日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。ディレクターの茂木寿氏が、直近の世界情勢でいま日本企業が対応すべき最新の海外リスクについて解説した。8月時点で最も大きなリスクとして米中貿易摩擦を取り上げ、今後両国で追加関税の応酬が激化・長期化すれば中国や米国に拠点をもつ日系企業も経営戦略の見直しを迫られざるを得ないと、注意を呼び掛けた。
2018/09/04
-
第54回:「レジリエンス」の語源を探る旅
これまで本連載において「レジリエンス」という概念について論じられている論文をいくつか紹介させていただいたが(注1)、レジリエンスの概念そのものに関してこれだけ議論が行われるのは、その概念が曖昧であり、様々な認識や解釈が世間で混在しているために、議論がうまく噛み合わなかったり誤解を招いたりするなどの混乱が生じているからである。
2018/08/21
-
第19回(最終回):経営方針が変わってBCMが消滅寸前!?(適用事例13)
最近になってBCM(事業継続管理)担当のMさんは、しばしば浮かない顔をするようになりました。先ごろ行われた経営会議で、思わぬ言葉が社長の口から出たからです。それは経営方針が大幅に変わるという話です。景気回復にともない、より収益性の高い製品を開発するために新事業部門を立ち上げるというのです。そして、この流れの一環として当年度中に組織全体を新体制に移行するとのこと。
2018/08/02
-
米のイラン制裁再開へ、日本企業も影響
有限責任監査法人トーマツは7月30日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。ディレクターの茂木寿氏が、日本企業が対応すべき海外リスクについて解説した。今回は、米国によるイランへの経済制裁再開が7日にも見込まれており、日系企業に与える影響などについて取り上げた。
2018/08/01
-
第53回:各国のビジネス環境におけるリスクの総合的ランキング
米国の損害保険会社FM Globalは同社のサイト上で「2018 FM Global Resilience Index」というデータを公開している。これは次のような情報源から得られた情報を基に約130カ国のビジネス環境に関するリスクを評価した結果をまとめたものである。
2018/07/31
-
中国政府が環境規制強化で操業停止も
有限責任監査法人トーマツは6月28日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。デロイト トーマツ 企業リスク研究所主席研究員の茂木寿氏が、今年6月時点で日本企業に影響を及ぼすグローバルリスクとして、中国政府の環境規制強化など4つの話題について解説した。
2018/07/02
-
<戦前秘話>横浜正金銀行ロンドン支店長・加納久朗~極秘の太平洋戦争回避工作~
昭和12年(1937)7月7日に勃発した日華事変は日中戦争の導火線となった。同年12月には南京、翌13年には広東さらには武漢の占領に戦線が拡大し泥沼化した。国内では軍備充実のため挙国一致の体制が叫ばれ、国家総動員法が公布された。大蔵省(現財務省)、日銀、横浜正金銀行の財政金融3者は緊密な連携を樹立して非常事態に対処することを余儀なくされた。日英関係の亀裂は50歳の横浜正金銀行ロンドン支店長・加納久朗(ひさあきら、子爵)にも重くのしかかった(リベラリスト加納はイギリスをこよなく愛した)。
2018/07/02
-
昨今の中東情勢を読み解く3つのポイント
昨今の中東情勢については、各種メディアでも数多く報じられているが、「奇々怪々」と形容されることが多い。その最大の理由は、中東地域が歴史的、宗教的、民族的に複雑な状況にあり、そこに大国の思惑も絡み、更に複雑怪奇な状況となっていることが挙げられる。(例えば「敵の敵は味方」等)この状況は近年になって、更に流動化が加速している状況である。
2018/06/28
-
EU個人データ保護法「GDPR」施行
欧州連合(EU)で5月25日に施行された個人データ保護の法律「GDPR:General Data Protection Regulation(EU一般データ保護規則)」。日本企業でも、EU域内の個人データを扱っていれば、そのデータの取扱いについて新たなルールの適用が求められ、違反すれば課徴金が科される可能性もある。日本の個人情報保護法の所管・執行を担う「個人情報保護委員会」では、国内事業者による個人情報の適切な取扱いに対する支援活動の一環として、GDPRに関する情報提供を行っている。同委員会事務局企画官の 石井純一氏に動向を聞いた。
2018/06/19
-
戦前の傑出したジャーナリスト・杉村楚人冠とその多彩な実績
私は千葉県柏市に移住して以降、戦前の「手賀沼文化人」に注目し調査を続けた。志賀直哉、武者小路実篤、柳宗悦、バーナード・リーチら「白樺派」系の作家・文化人や講道館創始者・教育者嘉納治五郎ら知識人に魅かれたが、ジャーナリズムに生きる者として、朝日新聞記者・杉村楚人冠(そじんかん、1872~1945)の多才さ・先見性にも教えられることが多かった。楚人冠の朝日新聞入社後の足跡を追ってみよう。
2018/06/04
-
外国公務員へ賄賂、制裁金数百億円も
有限責任監査法人トーマツは5月29日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。デロイト トーマツ 企業リスク研究所主席研究員の茂木寿氏が、日本企業が対応すべき海外リスクについて解説した。今回は、米国の「海外腐敗行為防止法」(FCPA)により日本企業が海外の現地公務員への賄賂を摘発され、巨額な制裁金を科される危険性などについて取り上げた。
2018/06/01
-
今年のラマダン月、その前後と期間中は特に注意
イスラム暦(ヒジュラ暦)の第9月がラマダン月(Ramadan)と言われる断食月となる。このラマダン月の1カ月間は夜明け前から日没までの間、イスラム教徒は一切の食物、水分の摂取をしない。また、喫煙も禁止となる。この断食は、イスラム教徒としての義務として課される5つの行為の一つである断食を行うことを目的としている。
2018/05/23
-
外務省、ラマダン中のテロに注意喚起
外務省は、イスラム教のラマダンとラマダン明け3日間の祭り(イード)にあたる15日ごろから6月17日ごろにかけて過去に世界中で多くのテロ事件が発生しているのを受けて7日、注意喚起情報を発表した。同省は出張・旅行などで海外を訪れる邦人に対して海外滞在先の緊急情報や安全情報をメールで受け取れる「たびレジ」などで最新の関連情報の入手に務めることや、テロの標的になりやすいリゾート施設や各種イベント会場など、人の集まる場所を訪れる際に安全確保に十分注意するよう促している。
2018/05/09
-
日本オリンピックの父・講道館創設者、嘉納治五郎~その大いなる精神と実践~
2020年東京オリンピック・パラリンピックを2年後に控えて、「日本オリンピックの父」であり講道館創設者として名高い嘉納治五郎(1860~1938)の高邁な精神と実践をあらためて考えてみたい。
2018/05/07
-
海外での感染症を防ぐ「クロスドミナンス」
いよいよ待ちに待ったゴールデンウィークですね。なかには9連休を取られた方もいらっしゃるようで、ステキだと思います。 私は年に十数回、海外安全調査などの仕事で海外に行きますが、特にアジアや南米へ行くときには、場所にもよりますが、日本では発生していない動物や蚊・マダニなどが媒介する病気が流行していることがあり、いつも注意しています。
2018/05/02
-
<没後55年記念特集>青山士のパナマ運河開削時代~青春の情熱、唯一の日本人土木技術者~最終回
明治37年(1904)6月7日、熱帯の夕日が燃えるパナマ大西洋側の港コロンに測量隊を乗せたユカタン号が接岸した。大勢の隊員中、日本人は背丈の低い青山だけである。晩年になって、青山は当時を振り返って言う。
2018/05/01
-
政治的リスクやテロリズムの脅威を概観できるリスクマップ
世界有数の保険会社グループである Aon (注1)は 2018 年4月に「2018 Risk Maps」を発表した。「Maps」と複数形になっているのは、政治的リスクやテロ、政治的暴力など複数の事象に関するリスクマップが含まれているからで、本稿の下の方に記載した「報告書本文の入手先」のページにアクセスし、「Access the Interactive Risk Maps」と書かれた部分をクリックすると、リスクマップが表示される(注2)。ちなみに上の図は2017年第4四半期における「Risk of doing business」の評価結果を表示させたものである。
2018/04/24
-
<没後55年記念特集>青山士のパナマ運河開削時代~青春の情熱、唯一の日本人土木技術者~その2
パナマ情勢は青山がシアトル滞在中の明治36年(1903)11月5日に急変し、パナマがコロンビアから分離独立を宣言する。翌6日、アメリカ政府はパナマ独立を承認する。アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトは、海軍力の増強とにらみあわせて、アメリカによるパナマ地峡での運河開削に強硬であった。大統領ルーズベルトの手法は帝国主義国家に突入するアメリカの「棍棒(こんぼう)外交」である。同月18日アメリカ・パナマ両国政府は、26条からなる運河条約(ジョン・ヘイ=ビュノオ・ヴァリア条約)に調印する。この条約は「パナマ人が調印していない条約」と呼ばれた。これによって、「パナマは、幅10マイル(約16km)の陸地及び水面下の土地の使用及び管理をアメリカに対して永久に譲与する」ことになるのである。1000万ドルの一時金、25万ドルの年金と引き換えに、アメリカはパナマ運河地帯の永久租借権を得ることになった。
2018/04/23
-
<没後55年記念特集>青山士のパナマ運河開削時代~青春の情熱、唯一の日本人土木技術者~その1
「『その頃から、私の気がだんだん変になってきたんですよ』と、先輩(注:青山士〈あおやま・あきら〉)はなつかしげに笑いながらパナマ時代を回顧された。その精神の底には、なんとか全人類のための工事に参加しようという烈しい志が、大学生時代の青山さんの心につねに秘められていたのであろう。全人類の立場で仕事を選び、それを実行しようとする意志、このような人生観を培うことが出来たのは、青山さんが高校・大学時代、毎日曜日に通われた内村鑑三の影響がおそらく至大であろうと思われる(青山は生涯内村の唱えた無教会クリスチャンであった)」
2018/04/16
-
GW中の海外旅行、感染症に注意
厚生労働省は6日、ゴールデンウィーク期間中に日本から海外への旅行者が多くなるのを見込み、海外渡航中に注意すべき感染症22種に関する情報をホームページに公開した。渡航中の注意徹底を呼びかけている。
2018/04/12
-
海外進出の中小企業に緊急時支援
アクサ生命保険とアクサ・アシスタンス・ジャパンは2日、全国の商工会議所に所属する中小企業などを対象に、海外進出を支援するサービス「海外危機対応プラン」の提供を開始した。アクサ生命はこれまでも全国の会員企業に団体保険制度や退職金制度などを提供しており、今回新たに中小企業が取り組む海外進出分野でも支援を広げる。
2018/04/06
-
海外出張時に火災警報器を持参することの必要性について
2018年3月23日(金曜日)の午前1時30分頃、ベトナムのホーチミン市8区にある20階建て700世帯が入居するマンション「カリーナプラザ・ビル(Carina Plaza Building)」で火災が発生。出火から3時間経った午前4時に消し止められた。
2018/04/04
-
海外子会社のリスクを把握し対策の手立てを
海外企業をM&Aしたものの、その後のマネジメントに失敗し、大きな損失計上を出すケースが近年目立っている。海外子会社のリスクマネジメントにおける日本企業の問題点、海外子会社のリスクをカバーする保険について、スイスに本社があるチューリッヒ保険会社・企業保険事業本部の大谷和久本部長に話を聞いた。
2018/04/02
-
90カ国で安心のセキュリティ・医療を提供
世界90カ国に1000カ所の拠点を持ち、1万1000人以上のスタッフがいるインターナショナルSOS。日本では1996年から事業を展開。海外に進出する日本企業に対し医療や渡航安全管理対策といった手厚い支援を行っている。
2018/03/30
-
トランプ政権に世界経済ほんろう
有限責任監査法人トーマツは28日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。デロイト トーマツ 企業リスク研究所主席研究員の茂木寿氏が、米国による鉄鋼・アルミ輸入制限、中国文書共有サイトへの機密情報流出、現地当局の調査協力遅延に対する制裁金、中国国営TVによる外資企業名指し批判について解説した。
2018/03/29