2025/06/09
防災・危機管理ニュース
【ワシントン、シリコンバレー時事】レビット米大統領報道官は7日、移民税関捜査局(ICE)による不法移民の一斉検挙への抗議行動激化を受け、トランプ大統領が西部カリフォルニア州ロサンゼルスに州兵2000人を配置する覚書に署名したと発表した。連邦政府の建物やICE職員の保護のためとして、まず8日午前に約300人が投入された。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、地元警察は8日、高速道路封鎖のほか、火炎瓶を投げたりバイクで警官隊に突入したりした疑いで27人を拘束。7日には29人が捕らえられた。これまでに警官3人が負傷したという。
トランプ氏は8日、自身のSNSに「ロサンゼルスは不法移民と犯罪者に占拠された」と投稿。「移民の侵略から解放し、あらゆる措置を講じて暴動に終止符を打つよう指示した」と表明した。
抗議行動は6日に始まり、翌7日には一部の参加者がICE職員の乗った車に物を投げ付けたり、略奪や自動車への放火に及んだりする事態に発展。国土安全保障省によると、同日には政府庁舎を1000人以上が取り囲んだ。米メディアによれば、中南米系移民の多い地域を中心に、ICEの強引な取り締まりへの反発が高まった。
トランプ氏は、カリフォルニア州のニューサム知事らに対し「自らの仕事を果たせないのなら、連邦政府が介入し、問題解決に当たる」とSNSで主張。ヘグセス国防長官は「必要なら海兵隊もICEを支える」と述べた。
ニューサム氏は8日、SNSへの投稿で、地元警察による事態収拾に支援は必要なかったと強調。トランプ氏が抗議参加者の暴力行為をあおるために州兵を派遣し、状況がさらに不安定化したと批判した。MSNBCテレビでは、州兵投入が違法であり法廷で争うと述べた。 (了)
(ニュース提供:時事通信 2025/06/09-15:31)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/22
-
「想定外」を乗り越える力コカ・コーラ ボトラーズジャパンが挑む、危機管理の再構築
コカ・コーラ社製品の製造、販売、自動販売機のオペレーションなどを手掛ける、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、2024年の能登半島地震を機に、危機管理体制の再強化に乗り出している。直接的な被害は免れたものの、系列他社の被災や支援要請の集中を通じて、情報伝達や意思決定、業務の優先順位といった多くの課題が顕在化した。同社は今、グローバル基準の危機対応フレーム「IMCR」の再徹底を軸に、全社一丸の再構築に踏み出している。
2025/07/21
-
-
-
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方