2019/03/12
本気で実践する災害食
熱湯消毒し、振りながら溶き、人肌にさまし、飲ませる
ようやく日本にも液体ミルクが出現しました。わたしは心の底から拍手を送りたいです。あー、日本にもやっと春が来たと。
というのも、私は共働きをしながら2人の子育てをしました。生まれたての子は、昼夜を問わずミルクをせがみます。まさに子育ては昼夜なしの仕事です。翌日学会発表というのに、子どもが一晩中泣きわめいて、こちらが泣きたいぐらいの地獄でした。
地獄の原因の中で最たるものはやはり授乳です。もちろん、母乳が赤ちゃんにとって最良の栄養であることは知っています。母乳には成長に必要な栄養素がバランスよく含まれ、赤ちゃんの体に負担をかけません。さらに、授乳によるスキンシップで赤ちゃんとの絆を深めます。それでも、母乳を赤ちゃんにあげられないこともあるのです。上記のように勤務があると母乳を続けることは難しいです。子どもを連れて勤務はできないからです。
さて授乳ですが、夜中急に泣き出すので哺乳瓶を熱湯消毒し、粉ミルクを計り入れ、振りながら溶き、人肌にさまし、飲ませる。子どもが途中で飲むのを止めたら、じっと待ち、もし催促したら温め直して続きを飲ませる。延々と時間のかかる仕事でした。翌朝は気力も失せ疲れてヘトヘト。働く女性が子育てをするのは命がけです。それ以外にも、ママが体調不良の時はやはり赤ちゃんに母乳をあげることは困難です。
避難所におけるミルク問題
やっと日本にも液体ミルクの製造が認可されました。遅すぎませんか? 災害のたびに避難所ではミルクをもらえない乳児が泣きわめいていました。
どんな災害が起こっていたか振り返ってみましょう。2000年代…有珠山噴火、三宅島噴火、鳥取県西部地震、新潟県中越地震、新潟県中越沖地震など。2010年代…東日本大震災、広島土砂災害、熊本地震、九州北部豪雨、西日本豪雨、北海道胆振東部地震など。ライフラインが停止し水も熱もなく、粉ミルクを溶かすことができない。乳児を待たせると泣くので避難所では迷惑がられ、のけ者にされがちでした。外に連れ出し「乳児にお乳を我慢させる」という最悪の事態が多く起こりました。このように災害の多いわが国で、液体ミルクの必要性が高いにもかかわらず、なぜこれほどまで遅れ、幼児が無視され粗末にされ続けてきたのか不思議でなりません。
女性が社会進出するにつれて増える子育てシーンでの困りごとや災害時に起こりがちな困りごとが多いにも関わらず、これらは今まで放置されたままでした。それらのことが今日の少子化の闇に拍車をかける一因になっているとは言えないでしょうか?
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/03/31
-
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
-
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
-
-
-
-
-
-
-
火事・水害の被災設備に復旧という選択肢
災害復旧専門サービスのベルフォアジャパンは昨年、独自営業による顧客開拓に乗り出しました。これまでは共同出資者の東京海上日動火災保険を窓口としてきましたが、体制変更を機に直接の市場アプローチを開始。BCPの実効性を確保する手段として自社のサービスを訴求する考えです。代表取締役社長の加藤道久氏に今後の市場戦略を聞きました。
2026/03/18







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方